YouTubeに投稿しているボディビル解説動画が話題の筋肉マニアが、毎週一人のボディビルダーをピックアップして紹介していく連載「解体筋書」。今回は、相澤隼人選手の後編です。
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10代でファイナリスト入りという快挙
相澤選手は、2013年の神奈川オープンで大会デビューを果たします。13歳という前代未聞の年齢での大会出場に目を疑った方も多いでしょう。あどけない表情からは想像できない程、上腕二頭筋のピークや大胸筋の厚み、広背筋の凹凸感等は一般レベルまで発達しており、すでにモンスターの片鱗が見られました。
毎年確実な進化を見せた相澤選手は、数々の名だたる大会で成績を残します。15歳〜17歳で全国高校生選手権を3連覇、同時に17歳で全日本ジュニア選手権との2冠を達成、18歳から19歳にかけては全国学生選手権2連覇を果たします。さらに、異次元のレベルを誇る地方大会「東京選手権」では、15年ぶりに最年少優勝記録を塗り替えます。それに留まらず、日本クラス別選手権では後の日本選手権ファイナリストが6名も参戦した70kg以下級で4位に入賞します。その勢いのまま、日本選手権にも出場し、史上稀に見る10代でのファイナリスト入りを果たしました(19歳で日本9位)。翌年の日本選手権では優勝が期待されていましたが、新型コロナウイルスの影響により初めて開催中止となり、1年間のオフを余儀なくされました。
10代でファイナリスト入りという快挙を達成した2年後の2021年、第67回日本ボディビル選手権が始まりました。絶対王者不在により初優勝を狙う猛者達が続々と登場する中、相澤選手は驚愕の肉体を披露したのです。2年前とは比べ物にならないほどの厚みと隙のないポージング。以前から少なかった弱点が完全に掻き消されており、その完成度の高さは他を圧倒するほどだったのではないかと思います。結果は見事に優勝。わずか21歳の若きチャンピオンが誕生した瞬間でした。「ミライモンスター」は「リアルモンスター」へと大変貌を遂げたのです。
その後、相澤選手は日本選手権3連覇を果たし、不動の地位を築き上げました。2024年は出場されていませんが、彼が残した実績は計り知れないでしょう。
今回は相澤隼人選手についてお話しさせていただきました。昨年、「一度ボディビルを離れて新たなことに挑戦したい」として俳優業に転向することを発表した相澤選手。若き王者の次なる活躍に期待すると同時に、モンスターの鮮烈なステージ復活も非常に楽しみですね。
次回は、相澤選手が絶賛したバルクモンスターについてお話しします。お楽しみに!
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