愛するキャラクターに変身するため、そして“推し”へのリスペクトを込め、コスプレイヤーたちは日々自らの肉体を鍛えている。今回はコスプレイベントで出会った筋肉自慢のレイヤーさんを直撃し、体づくりやコスプレへの思いを聞いた。今回登場するのは、筋トレ好きが高じて今年4月からパーソナルトレーナーに転職したケンジさん。

筋トレの原点は「モテたい」という思い
――ジャンプの筋肉キャラを中心にコスプレをされていると伺いました。きっかけは?
「もともと筋トレを3年くらいしていて、コスプレ自体は1年ぐらい前から始めました。たまたまハロウィンでコスプレをしたら楽しくてハマって、そこから鍛えた体を活かせるならと思って、筋肉キャラのコスプレをするようになりました」
――コスプレをする前から鍛えていたんですね。
「はい。単純にモテたくて鍛え始めました(笑)。そこからどんどんのめり込んでいって、今ではボディコンテストにも出場しています。SUMMER STYLE AWARD(サマスタ/SSA)の大会に出たりしましたね。トレーニング好きから発展して、職業も今年の4月からパーソナルトレーナーに転職しました」
――筋トレのどんなところに魅力を感じましたか?
「扱える重量が上がっていくのが、記録を更新する感覚になれるんです。小・中・高と陸上部に所属していたので、陸上で自己ベストを出す感覚に近いかもしれないですね。重量が上がると自己肯定感が上がりますし、見た目もどんどんカッコよくなっていくので楽しいです」
――日々のトレーニングで注力している点は?
「基本的にはコンテストを意識して鍛えているので、全身のバランスを意識しています。今はサマスタのスタイリッシュガイ部門(バランスよくスタイリッシュな筋肉美が評価される部門)に出ていて、今後はもう少し筋量が求められるフィジークにも出てみたいですね。コスプレイベントが近い時は、キャラの特徴に合わせて特定の部位に少し力を入れて鍛えることもあります。たとえば、腕が太いキャラをやる時は腕を鍛えるなどです」
――昨年冬のコミックマーケット(コミケ)では『銀魂』の近藤勲のコスプレをしていましたね。
「はい。その時はコスプレ仲間の内藤メア君が『近藤さんのコスプレをやってもらえませんか』と声をかけてくれました。ぜひと返事をしてコスプレしたのですが、がっつり体が見えるコスチュームだったので、鍛えていてよかったと思いました。内藤君とはイベントで知り合ったので、こういう形でコスプレを通じて人間関係が広がるのも魅力だと思います」
――ちなみに、この体がカッコいいと思う筋肉キャラは?
「『ONE PIECE』のゾロですね。あの腹筋はたまらないです。あこがれですね」
――最後に今後の目標をお願いします。
「もっとサイズアップして、ゴリゴリのキャラが似合うコスプレイヤーになりたいです。あとは、これからもコンテストに出続けて、知識も増やして、そういった経験をクライアントに還元できるトレーナーになりたいです」