YouTubeに投稿しているボディビル解説動画が話題の筋肉マニアが、毎週一人のボディビルダーをピックアップして紹介していく連載「解体筋書」。今回は、第1回ジュラシックカップ優勝の喜納穂高選手です。
【ムービー】まるで「ボディビルの教科書」のような喜納穂高のフリーポーズ
完璧すぎるバランスとポージング
喜納選手は、沖縄出身の日本ボディビル界を担う若手ビルダーの1人です。29歳という年齢ながら、日本選手権の最高成績は5位。また、2児の父としての顔も持ちます。そんな彼の特徴は、完璧すぎるバランスとポージングです。丁寧なトレーニングによって形作られた肉体は、「ボディビルの教科書」のような造形美をしています。
美しいプロポーションを際立たせる三角筋、立体感を演出する厚みのある大胸筋、密度感溢れる充実した大腿四頭筋と内転筋等、挙げればキリがないほど強みとなる部位が多いです。中でも、強烈なのが背中です。巨大な脊柱起立筋が内側から広背筋を押し出していることも相まって、下部の輪郭はとんでもないことになっています。まるで、背中に第二のお尻が付いているような見栄えになっており、臀部のストリエーションとハムストリングスのカットも強力なことから、バックラットスプレッドの完成度は歴代最高クラスです。
ポージングの完成度も非常に高く、フリーポーズについても隙がありません。バラード調の落ち着いた曲に合わせた滑らかでキレのあるトランジション(ポーズ間の移行動作)、伸びやかでありつつもしっかり音ハメされた安定感のあるポージングは、見る者に「美しさとは何か」を問いかけてくるような気品を感じさせます。
喜納選手はもともと、FWJのアマチュア部門で活躍されていた選手で、クラシックフィジークにおいて幾度となく階級優勝を収めていた超実力派です。2021年からJBBFに移籍し、初出場にしてこちらでも階級優勝を果たしました。突如として現れた逸材に驚いた方も多いでしょう。2022年には初めてのボディビル参戦にして、日本王者を何人も輩出してきた国内屈指のレベルを誇るミスター東京でまさかの優勝。シーズンの本命であった日本クラシックフィジーク選手権では、現“絶対王者”五味原領選手を下してのオーバーオール優勝。それだけに留まらず、初出場の日本選手権では11位入賞を果たし、冷静なキャラクターからは想像も付かないほど、とんでもないダークホースぶりを見せました。
後編は、ダークホースの弱点と今後の期待についてお話しします。お楽しみに!
(後編に続く)
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