アームレスラーのサップ石島さんは、メイちゃん(となりのトトロ)のコスプレでも注目を浴びる業界の有名人。コスプレを始めてからボディメイクに着手したが、あくまでメインで考えるのはアームレスリングで勝つための筋トレだ。今回はサップさんに、競技で勝つための腕トレについて聞いた。
スタイルによってトレーニング法も変わってくる
――サップさんといえばムキムキの腕が印象的です。トレーニングメニューや頻度などはどのように組んでいますか?
「腕はアームレスリングのためのトレーニングがメインですね。今はケガしているのもあってダンベルカールなどは控えていて、軽い重量で二頭筋や三頭筋をパンプさせるくらいの強度で鍛えています。その前は前腕を結構やり込んでいて、前腕だけで7~8種目くらいやっていました」
――アームレスリングで強くなるための腕トレのポイントは?
「自分のスタイルとしては、手首を内側に入れた状態で親指をねじる動作をポイントにしています。これが吊り手(トップロール)のトレーニングですね。あとは逆に回外する動きを鍛えることもあります。これが表裏一体なんですけど、自分は主に吊り手なので回内の動きを中心にトレーニングしています。あとは手首のヘッドが落ちないように上げたり、口頭では伝えるのが難しいんですけど、いろいろなトレーニングを実践しています。柔道の帯を使うことが多くて、帯にダンベルとかプレートを引っかけて、持ち上げてねじったりします」
――アームレスリングには主に吊り手(トップロール)、噛み手(フック)、横倒し(サイドアタック)と3種類の攻め方があり、それぞれで鍛え方も違ってくるのですね。
「はい。ヒジを支点にして体を後方に落とし、てこの原理で相手の指先を吊り上げるようにして倒す『吊り手』。相手より手首の位置が高くなるように前腕をひねり上げて、相手の手を下敷きにする『噛み手』、これらの中間的な軌道で、一気に横方向に倒す『横倒し』といった形で、自分のスタイルに合ったトレーニングを選択していきます」
――筋量をアップさせるトレーニングとはまったく別物ですね。
「そうですね。アームカールやハンマーカールで高重量を扱えても意味がなくはないのですが、だいたい同じ階級だと筋力も同じくらいの選手が集まってくるので、純粋な筋力で勝負するのは限界があります。そこで勝つには指先1本1本の力とか、細かなテクニックなど、アームレスリングならではの要素が必要になってきます。そういった点を強化するために、自分は家ではアームレスリング仕様のトレーニングをして、ジムでは主にボディメイクのためのトレーニングをやるようにしています」
――奥が深いですね。そんなサップさんの今後の目標は?
「家庭の事情もあって、今年はアームレスリングの大会に出られるかわからないので、目標は考え中です。コスプレイベントも今年に入ってからまだ参加していなくて、夏コミケも参加できるかどうかというレベルです。トレーニングはできる範囲で継続して、いろいろと落ち着いたらもう一度活動を再開していきたいですね」