YouTubeに投稿しているボディビル解説動画が話題の筋肉マニアが、毎週一人のボディビルダーをピックアップして紹介していく連載「解体筋書」。今回は、ワールドカップクラシックボディビル総合優勝の井上貴文選手です。
無敵にすら思える上半身のプロポーション
僕が今、激推ししているボディビルダー井上貴文選手は、福岡県出身の34歳でコンテスト歴は8年になります。元々はアームレスリングの選手でしたが、入会したジムがハードコアなボディビルジムだったこともあって競技転向されました。
ボディビルデビューを果たした2017年。1年目から3大会に出場した井上選手は、福岡県クラス別75kg以下級優勝、九州クラス別75kg以下級優勝、福岡選手権3位と、華々しい成績を残します。その勢いは止まらず、翌年は前年3位だった大会で見事優勝。2019年には九州選手権で優勝し、「九州のハルク」の名で知られるようになります。2022年は、全国クラスの大会である日本クラス別に出場し、80kg以下級4位の成績を残します。翌年には、「西日本最大のブロック大会」西日本選手権で並いる強豪を抑え、満票1位での完勝。一躍トップビルダーの仲間入りを果たしました。
獅子奮迅の勢いで成績を上げ続ける井上選手ですが、なぜこれほど高い評価を得ているのでしょうか?それは、理想的なプロポーションと重厚感を両立した上半身を持っているからです。極めて形の綺麗な二頭筋と垂れ下がる程の三頭筋が作り出す迫力満点の上腕、タイトなウエストから広がる翼のような広背筋に、アーノルド・シュワルツェネッガーを彷彿とさせる広く分厚い大胸筋。特に、ディフィニション(筋肉の鮮明さ)やアウトライン(体の輪郭)は惚れ惚れするほどの完成度をしています。
僕が井上選手を知ったのは2023年。Instagramのおすすめに流れてきた西日本選手権優勝時の彼の写真を見て、衝撃を受けました。類稀なプロポーションに重厚感を持たせる巨大で綺麗な上腕と驚異的な背中の広がり、全体のバランスを損なわない下半身のサイズと重心の取り方、フレッシュかつ張りのある仕上がり、甘いルックスながらも闘志溢れる表情等、僕が理想とする肉体に最も近い体をされており、写真を一目見ただけでファンになってしまいました(笑)。
次回は、井上選手の更なる躍進への課題と今後の期待についてお話しします。お楽しみに!
(後編に続く)
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