レップ数は決めずに「上がらなくなるまでやる」 初代主将がトレーニングに本気になった原点【GKB応援団:鹿屋体育大学バーベルクラブ】




2023年に創部し、学生ボディビル界に風穴を開ける存在として期待がかかる、鹿屋体育大学。現在の部をつくり上げた初代メンバーを中心に話を聞き、彼らの取り組みを探っていく。まずは、“初代主将”として歴史の1ページ目を刻んだ宮本藍さん(インタビュー内容は2025年1月時点のもの)。

【フォト】マッチョ、美ボディが集結 鹿屋体育大学バーベルクラブのトレーニング風景

――創部2年目となる2024年度は、10数名の部員が所属していると伺いました。

「そうですね、他のスポーツと違い個人競技のクラブなので多少の出入りはありますが、約14人が所属しています」

――4年生で部のキャプテンを務めているとのことですが、ボディビルをはじめたのは大学に入ってからですか?

「はい、高校まではずっとサッカーをやっていました。トレーナーを目指して専門学校に入学し、卒業後はもう少し生涯スポーツについて学び、健康運動指導士の資格をとりたいと思っていたので、3年生になるタイミングに鹿屋体育大学への編入を決めました。ただ、大学に入ってからはこれといったスポーツをするわけでもなく、なんとなく学校のトレーニングルームに通って筋トレをしていたのですが、そこで今はクラブの仲間である宇地原亮君に出会い、トレーニングにのめり込んでいったんです」

――大学に入るまでは、本格的なトレーニングはしていたんですか?

「いえ、全然です。サッカーをやっていたときに補強としてやっていたのですが、とりあえず回数を決めてこなすという感じで、いわゆる“追い込む”というのをしたことがありませんでしたし、ボディビルのことも全く知りませんでした。でも、1年生の頃からトレーニングルームに通い続けてきたという宇地原君に出会ってからは、どのメニューをやるにしてもレップ数は決めずに、『上がらなくなるまでやる』という感じで。そうやって自分を追い込んでいくトレーニングが刺激的でしたね」

――その後、トレーニングルームで同志を集ってクラブを結成しました。

「もともとSNSを見て、筋トレ同好会みたいなのがあるのは知っていました。5人集まれば部活動として認められると大学の方から聞いたので、まずは編入生の友達に声を掛けつつ仲間を集めていきました。やるならしっかりとした形でやりたいという思いがあったので、僕が主将という形になり、3年生の(2023年の)9月に創部となりました」

個性豊かなメンバーで撮影した一枚。写真後列左から福田椋介、宇地原亮、宮園竜平、程文静。前列左から與崎辰朗、宮本藍、島袋昴大

――その熱い気持ちの原点は?

「関東では日体大や東海大がボディビル部を立ち上げて、トップ選手がどんどん出ているのは刺激になりましたね。自分自身も、何か新しいことをはじめる良いチャンスだという思いもありました」

――創部初年度は、宇地原さんが全日本学生ボディビル選手権のメンズフィジーク176cm以下級で4位、2年目の2024年は全日本学生オープンボディビル選手権で団体優勝。宮本さんも、九州学生ボディビル選手権で優勝と実績を積み上げています。

「やはり体育大学ということもあり、部員の多くはもともと体育会系の部活でガッツリやってきた人ばかりなので、勝利へのこだわりがかなり強いんですよね。それが今の成績につながっているんじゃないかと思います」

――個人競技とはいえ、やはり仲間で集まって取り組むことに意義はありますか。

「もちろん皆で合トレするのは楽しいですけど、トレーニング以外のところを僕たちは大切にしています。皆でご飯を食べに行ったり、お風呂に入ったり……競技以外の部分で距離が近くなっていけるのが、部として活動するメリットですね。何より、いろんなところから集まってきている学生なので、非常に個性豊かな集まりなのが部の良いところだと思います」

――最後に、トレーニングやボディビルの魅力をどう感じていますか。

「ハードにトレーニングをして、大会に出るなら減量もきつい部分がたくさんあるんですけど、しっかり目標を決めてやったぶんの結果は絶対に出るところいうところです。もちろん大会では順位につながらないときもありますが、他人が審査する競技であるので、そこはしょうがないのかなと。とはいえ、しっかりと絞り切れば評価してくれる人は間違いなくいるので、その点は競技の魅力だと感じています」

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