5月31日~6月1日、東京・有明アリーナでフルコンタクト空手の体重別世界一を決めるトーナメント「第1回全世界フルコンタクト空手道選手権大会」が開催されます。この大会に兄妹で出場するのが、群を抜いた身体能力が目を引く澤井天心選手(22)と澤井ナノ選手(17)です。多くの世界チャンピオンを輩出してきた名門・新極真会東京城南川崎支部で普段から行なわれている自重トレーニングの一部を実践してもらいました。

【フォト】澤井兄妹のトレーニング風景 兄・天心のマッスルボディも公開
澤井天心選手
「空手の稽古中にいろいろな種類の筋力トレーニングをやるので、自主トレではその回数を増やしたり、メニューを組み合わせたりして効かせ方を均一にしないようにしています。ウエイトトレーニングに関しては道場だけではなく、自分が通っている日本大学スポーツ科学部のジムをお借りしてやっています。自重トレは、ウエイトトレで大きくした筋肉を空手に合ったしなやかな筋肉に変えるようなイメージで行なっています」
澤井ナノ選手
「稽古中に行なうものを含めれば、週に5日は筋トレをしています。私はもともとアクロバットが好きだったので、倒立歩きなどは道場の先生に教えてもらいながらできるようになりました。東京城南川崎支部では少年部の頃から、たとえ形がぐちゃぐちゃでも筋トレの回数をたくさんやります。最初は『じゃんけんで負けたら拳立て100回』などゲーム感覚から初めて、気づいたらできるようになっている人が多いですね」
【胸(上半身)のトレーニング】
・プッシュアップジャンプ
腕立て伏せで腕を伸ばす際、反動をつけて両手を床から離し、胸の前か背中、もしくはその両方で拍手をして両手を着地する。胸に効かせるだけではなく、空手の突きの出力につなげることも目的。普段の稽古では15~20回を10セット程度行なう。
・拳立て伏せ
空手の鍛錬の定番で、拳を握っての腕立て伏せ。板の上に拳をのせて行なう目的は2つ。1つは拳の強化、もう1つは空手の突きは人差し指と中指の拳頭で打つため、その2つの部分だけに重心をかけ、それ以外に体重がのらないようにするため。回数は50~100回を5~6セット、もしくは10回を20セットなど。
・手押し車
前進だけではなく、壁まで到達したらそのままバックで後退する。手のひらをつけて行なう手押し車の他に、拳を握る、プッシュアップジャンプをしながら前進&後退するなど、5、6種類のパターンがある。普段は道場3周を2~3セット程度行なう。
【腕のトレーニング】
・リバースプッシュアップ
三頭筋を鍛えるメニュー。空手は筋持久力が必要となるため、回数を多くこなすことを意識している。この日の天心選手は20kgの重りをのせてより負荷をかけて行なった。
【肩のトレーニング】
・壁倒立
空手の試合をイメージして、2~3分を3セット程度行なう。
・壁倒立腕立て伏せ
倒立をしたまま腕立て伏せを行なう。「バランス力もつきますし、自重なので慣れてしまえばバーベルよりも安全に鍛えられると思います」(天心選手)。天心選手は10~20回、ナノ選手は10回前後を3セット程度行なう。
・倒立歩き
倒立をしたまま歩く。肩に加え、体幹を鍛えることにもつながる。
【背中のトレーニング】
・懸垂
ワイドグリップ、ナローグリップそれぞれで行なう。反動をつけずにしっかり効かせることを意識した場合、回数は天心選手が10~20回程度、ナノ選手は10回前後。
【腹のトレーニング】
・レッグリフトクランチ
通常のクランチよりも効きやすくするため、上体と一緒に両ヒザも上げる。普段の稽古では30~50回を2~3セット程度行なう。
・バイシクルクランチ
上半身は突きを打つイメージで、下半身はヒザ蹴りを打つイメージで行なう。回数はレッグリフトクランチ同様、30~50回を2~3セット程度。
【脚のトレーニング】
・スクワットジャンプ
スクワットをしながら大きく前方へジャンプ。これを繰り返して壁まで到達したら、大きく後方へジャンプしてバックで戻る。3往復を5セット程度行なう。
・サイドステップジャンプ
サイドステップをしながら大きく前方へジャンプ。着地の瞬間に体をひねり、両手は顔面をガード。スクワットジャンプ同様にバックで戻る。2往復を5セット程度行なう。
・スクワット前蹴り
スクワットに前蹴りの動作を加えることで、蹴りで使う筋肉にも効かせる。天心選手は100回程度、ナノ選手は70回程度行なう。
●世界大会への意気込み
澤井天心選手
「自分の力をすべて出し切って、必ず世界チャンピオンになります。妹と一緒に兄妹優勝をはたして、お世話になっている入来師範、先生方、道場生のみなさん、家族にしっかり恩返ししたいと思います」
澤井ナノ選手
「初めての世界大会出場なので、気持ちを落ち着かせながら決勝まで勝ち上がって優勝します。兄妹優勝だけではなく、東京城南川崎支部としても全階級を獲って、お世話になっている方々に恩返ししたいです」