5月31日から6月1日にかけて、東京・有明アリーナで『FULLCONTACT KARATE EXPO 2025』が開催された。同イベントはフルコンタクト空手の3大会が併催されるだけでなく、空手に関するパビリオンが出展されるなど、“空手の国際博覧会”というテーマにふさわしい2日間となった。

決勝日となった昨日6月1日は、満員の観客、選手応援団が集まる中、ユース・ジュニア年代の統一王者決定戦で入賞をはたした『カラテトレジャーズ』の紹介や、少年少女空手家による演武、視覚・聴覚をほぼ失ってなお空手道を追求するイエヴァ・クリヴィカイテ弐段(新極真会リトアニア支部)による演武が行なわれるなど、大きな盛り上がりを見せた。

試合も白熱の展開となり、体重別世界王者決定戦『第1回全世界フルコンタクト空手道選手権大会(第1回WFKO世界大会)』、『第2回国際フルコンタクト空手道選手権大会(第2回JFKO国際大会)』の2大会で各階級チャンピオンが決定した。ここでは、第1回WFKO世界大会の女子部門にスポットを当てる。

身長184cmを誇る強豪、ブリジタ・グスタイタイテ(新極真会リトアニア支部)を退け重量級を制したのは、世界最大規模の空手団体・新極真会のタイトルを軒並み制覇してきた鈴木未紘(新極真会厚木・赤羽支部)だ。第7回JFKO全日本大会(2022年)の敗北を最後に3年間無敗の彼女は、今大会で優勝をはたしたことにより、無差別級の世界大会と全日本大会、体重別の世界大会と全日本大会を全制覇する“グランドスラム”を達成。史上最年少となる19歳での偉業を成し遂げた。

なお、他階級でも熱戦が繰り広げられ、軽重量級では身長170cmの長いリーチから繰り出す攻撃が武器の網川来夢(新極真会福岡支部)が体重別世界女王の称号を獲得。中量級では空手家5姉妹の3女・漢鈴那(新極真会佐賀筑後支部)が18歳にしてビッグタイトルを獲得するなど、激戦を勝ち抜いた精鋭たちがチャンピオンに名乗りを上げた。

鈴木は決勝後のインタビューで、「いつも支えてくださるたくさんのみなさま、本当にたくさんの応援・サポートありがとうございました。もっともっと強くなります。自分自身、本当に器用さや運動能力が全然なくて、不器用でいろいろなことに時間がかかるタイプで苦労することもありました。ですが、これからも感謝の気持ちを忘れず、どんな時も気合いと根性で乗り越え、強くなって結果で恩返しさせていただきますのでよろしくお願いします」とコメント。世界平和を願う英語でのメッセージも発信し、あらゆる人への感謝を表明した。天井知らずの強さを見せる彼女の連勝記録はどこまで続くのか? 今後の活躍に注目が集まる。
【各階級の入賞者は下記の通り】
第1回WFKO世界大会
■男子軽量級
優 勝 澤井天心(日本・新極真会東京城南川崎支部)
準優勝 新里誠光(日本・武立会館)
第3位 ミンディア・ムゲラゼ(ジョージア・新極真会ジョージア支部)
第3位 紅谷 凱(日本・極真拳武會さいたま浦和支部)
■男子軽中量級
優 勝 平木 楓(日本・白蓮会館)
準優勝 前平斗真(日本・新極真会福岡支部)
第3位 大坪裕希(日本・新極真会福岡支部)
第3位 イェラマン・ムカシェフ(カザフスタン・新極真会カザフスタン支部)
■男子中量級
優 勝 アントン・ジマレフ(カザフスタン・新極真会カザフスタン支部)
準優勝 塚本慶次郎(日本・新極真会世田谷・杉並支部)
第3位 シモン・オルピンスキ(ポーランド・WKB)
第3位 アリ・ハイデル(スウェーデン・新極真会スウェーデン支部)
■男子軽重量級
優 勝 渡辺和志(日本・新極真会世田谷・杉並支部)
準優勝 ヨナス・ロジン(スウェーデン・IFKスウェーデン支部)
第3位 片桐大也(日本・極真拳武會本部)
第3位 金岡陽大(日本・新極真会川崎東湘南支部)
■男子重量級
優 勝 後藤優太(日本・空手道MAC)
準優勝 多田成慶(日本・新極真会福岡支部)
第3位 エヴェンタス・グザウスカス(リトアニア・新極真会リトアニア支部)
第3位 パウリウス・ジマンタス(リトアニア・新極真会リトアニア支部)
■女子軽量級
優 勝 森みいな(日本・成心會福岡支部)
準優勝 山中咲和(日本・新極真会高知支部)
第3位 澤井ナノ(日本・新極真会東京城南川崎支部)
第3位 清水由埜(日本・桜塾)
■女子軽中量級
優 勝 水谷 藍(日本・久保田道場)
準優勝 小嶋夏鈴(日本・新極真会東京江戸川支部)
第3位 石野まこと(日本・桜塾)
第3位 富野真麻(日本・白蓮会館)
■女子中量級
優 勝 漢 鈴那(日本・新極真会佐賀筑後支部)
準優勝 水谷 恋(日本・久保田道場)
第3位 井上ほの花(日本・新極真会東京城南川崎支部)
第3位 ヴァレンス・ビケル(オランダ・KWFオランダ支部)
■女子軽重量級
優 勝 網川来夢(日本・新極真会福岡支部)
準優勝 目代結菜(日本・新極真会東京城南川崎支部)
第3位 イヴァンカ・ポポヴァ(ブルガリア・新極真会ブルガリア支部)
第3位 ベルタ・スザライ(ハンガリー・新極真会ハンガリー支部)
■女子重量級
優 勝 鈴木未紘(日本・新極真会厚木・赤羽支部)
準優勝 ブリジタ・グスタイタイテ(リトアニア・新極真会リトアニア支部)
第3位 藤原桃萌(日本・新極真会福岡支部)
第3位 アリーナ・オシペンコ(カザフスタン・新極真会カザフスタン支部)
第2回JFKO国際大会
■男子軽量級
優 勝 大坪星太(新極真会福岡支部)
準優勝 山川彗大(全日本空手道真誠塾)
第3位 手島一翔(新極真会神奈川東横浜支部)
第3位 石綿 元(極真拳武會さいたま浦和支部)
■男子軽中量級
優 勝 水谷 翔(久保田道場)
準優勝 村田哲成(新極真会福岡支部)
第3位 田中勇利(極真会館千葉田中道場)
第3位 神原詠二(新極真会世田谷・杉並支部)
■男子中量級
優 勝 北嶋治将(新極真会東京城南川崎支部)
準優勝 大場健吾(空手道無限勇進会)
第3位 藤田春人(新極真会福岡支部)
第3位 細川昂大(新極真会大阪神戸湾岸支部)
■男子軽重量級
優 勝 前田勝汰(新極真会和歌山支部)
準優勝 江口雄智(新極真会福岡支部)
第3位 大場孔揮(空手道無限勇進会)
第3位 鳥原隆司(新極真会宮崎中央支部)
■男子重量級
優 勝 岡田侑己(新極真会和歌山支部)
準優勝 工藤昂朗(新極真会世田谷・杉並支部)
第3位 髙橋耕介(新極真会世田谷・杉並支部)
第3位 遠田竜司(新極真会東京江戸川支部)
■女子軽量級
優 勝 西山空那(空會館)
準優勝 河村奈々(新極真会福岡支部)
第3位 金城杏奈(一般社団法人極真会館沖縄県支部)
第3位 岩口紗藍(清凛館)
■女子軽中量級
優 勝 宇都宮美咲(新極真会大阪神戸湾岸支部)
準優勝 渡部はるあ(蒼天塾)
第3位 漢由依奈(新極真会佐賀筑後支部)
第3位 佐々木葵(新極真会愛知中央支部)
■女子中量級
優 勝 伊藤煌彩(新極真会世田谷・杉並支部)
準優勝 冨村日花(新極真会神奈川東横浜支部)
第3位 村上莉菜(新極真会大阪東部支部)
第3位 加藤えみ(日本空手道連盟聖心會)
■女子軽重量級
優 勝 児玉亜瑞(新極真会大阪神戸湾岸支部)
準優勝 松田理央(総極真選手会)
第3位 大塚未夢(新極真会徳島北東あわじ支部)
第3位 戸川夕渚(新極真会東京城南川崎支部)
■女子重量級
優 勝 野邑心菜(新極真会世田谷・杉並支部)
準優勝 木村敬代(武立会館)
第3位 鈴木愛心(新極真会愛知中央支部)
第3位 山本妃莉(正道会館)
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