プロテインや高額なサプリに頼らず、ボディメイクを成功させる食事法は?【管理栄養士の視点から】




トレーニー必携のプロテインパウダーをはじめ、ボディメイクに効果を発揮するサプリメント。一方で、価格面で購入しにくいと悩んでいる人もいるでしょう。そこで今回は管理栄養士の山田賢児さんに、プロテインや高額なサプリに頼らず、ボディメイクを成功させる方法を伺いました。

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プロテインやサプリに頼らず、ボディメイクを成功させることは可能だと思います。要点を2点にまとめたので、まずは具体的な方法からお話します。

1つ目は肉や魚、卵、乳製品など、タンパク質を多く含む食品を1日3回、指を除く手のひら1枚分くらいのサイズ感で摂取するということです。

この時、体重1kgあたり1gのタンパク質を摂取するようにします。たとえば、体重50kgであれば1日50gのタンパク質が必要。それを3回に分けて摂取するイメージです。手のひら1枚分と言ったのは、牛乳やヨーグルトのように水分が多い食品を除けば、そのくらいの量でだいたい足りるからです。

2つ目は、できるだけ加工の少ない食品を選んで、サプリメントに頼らずビタミン、ミネラルなどを補えるようにすることです。これは「ホールフーズ」(自然のままの形を保った食材)の考え方です。まずは白米より玄米、食パンよりオートミール、コンビニのカットサラダよりスーパーで売っているトマトやブロッコリー、もやしなどを選ぶだけでも十分です

加工食品は切ったり加熱したり、つくる過程で食材本来が持つ栄養素が損なわれている場合が多いので、ホールフーズを選ぶことで同じ食事量でも栄養価を高めることができます。

プロテインやサプリメントに頼らずにボディメイクを成功させるには、十分なタンパク質はもちろん五大栄養素(タンパク質以外だと糖質、脂質、ビタミン、ミネラル)をバランスよく摂取する必要があります。

その他にも血中アミノ酸濃度や血糖値などの知識もあったほうがいいですが、今回はこれらを知らなくてもすぐ実践できるように要点2つにまとめてお伝えしました。意識していただければ、自然と必要な栄養素を取り入れることができるはずです。

ボディメイクにサプリメントを使う主な理由としては、プロテインパウダーで足りないタンパク質を補うことと、その他の栄養素の摂取といったところだと思います。タンパク質に関しては先ほどの「手のひら1つ分」の考え方で食事を摂ってもらえれば十分にまかなえます。

タンパク質以外の栄養素については、ホールフーズを選んで食べることに想像以上のメリットがあることをぜひ知っていただきたいです。たとえば白米と玄米。摂取カロリーの量は大差ないですが、玄米は食物繊維で白米の約7倍、ビタミンB1で約10倍、鉄分で約3倍と高い栄養価を誇っています(日本食品標準成分表(八訂)より)。主食以外も同様に加工食品ではなくホールフーズで揃えると、食べる量は同じでも栄養価を飛躍的に上げられる可能性があります。

プロテインやサプリメントは基本的に栄養補助食品なので、主となる栄養素はあくまで食事から摂ることを考えましょう。食事の内容を充実させた上で、それでも足りない栄養素があれば、補助食品で補うのが理想的です。そういった判断をするためにも、今回ご紹介した内容を実践していただきつつ、栄養に関する基礎知識を学んでいただくと、よりよいボディメイクにつながると思います。

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