7月21日に行なわれた第60回東京ボディビル選手権において女子フィジーク部門を制し、「ミス東京」に輝いたのは新沼隆代だ。
「ミス東京というのは“夢の舞台”というか…ずっと獲りたいなと思っていたタイトルでした」と話す新沼。2020年にステージデビューをはたして以降、同大会で21年は8位、22年は6位、23年は5位、そして昨年は4位とゆっくりと確実に階段を昇ってきてつかんだ、まさに悲願のタイトルだ。審査表を見ると、女子フィジーク界屈指のバルク派・富沢理恵と審査員の票を分け合って合計点数は同点となっており、1位票の数で1票上回っただけの、緊迫する勝負であった。
金メダルの予兆は十分にあった。昨年8月、福井県で行なわれたジャパンオープン選手権で新沼は見事に金メダルを獲得。「本当にあれはまぐれだと思っていて、とてもビックリした感じでした」と振り返るが、バチっとハマったときのコンディションはすでに日本トップレベルであることを証明している。
そんな彼女は今年、大きな変化を見せた。これまで赤を基調としたビキニでステージに立ってきたが、初めて黄色を着用。髪型も金色が混じったぱっつんボブになっており、笑顔が似合う彼女らしい世界観を演出しているように見えた。
「今年は、今までとは雰囲気を変えたいなと思って。会場で会った方々にも『誰かわからなかった』と言われたくらいでした(笑)。(女子フィジークトップ選手である)澤田めぐみさんに指導いただいているのですが、『黄色が良いんじゃないの』って言っていただき、思い切って変えてみました。それが良かったのかもしれませんね」
次戦は9月の日本クラス別選手権、そして10月の日本選手権へと続いていく。
「日本選手権は去年、決勝に残ることができませんでした。なので、まずはそこに残れたらいいな、という気持ちで臨んでいきたいと思います」
東京の頂点に向けて一段一段ステップアップしてきたように、次は日本のトップに向けて、また彼女らしく歩みを進めていく。