限界スレスレ新卒社会人ビルダー 感情爆発のポージングで東京ジュニア王者に




楽しかった学生生活が終わり、いよいよ社会人に。ところが待っていたのは思いもよらぬ理不尽さとストレスフルな毎日――。『もう嫌だ!今すぐにでも転職したい!』そう思って日々を過ごしている新卒社会人もこの世にはごまんといるだろう。だがそんな日々を筋肉とともに駆け抜け、一つの栄冠を手に入れた男がいた。

【フォト&ムービー】金子の情熱的なフリーポーズ

今年の東京No.1を決する「第60回東京ボディビル選手権」(7月21日)のジュニア(23歳以下の部)の部を制した金子聖は、国士舘大学卒の新社会人。大学4年生だった昨年は、東京ジュニア3位、日本ジュニア7位、関東学生選手権4位と好成績を収めてきた。最後の全日本学生選手権こそ13位とふるわなかったが、「これからは社会人ビルダーとして頂点を目指します」と、荒波の中へ意気揚々と飛び出していった。

ところが…やはり社会はそんなに甘くはない。「正直、けっこう限界はきていて(笑)」と話すように、なかなか厳しい環境に置かれている模様。「なんとかメンタルを保ちつつ。その後の大会のことは考えずに、ここまではやりきろうという気持ちだった」というように、苦悩の日々の中でなんとか調整を進めてきた。

予選をくぐり抜け、いざ決勝へ。比較審査のファーストコール(その時点での上位選手)での立ち位置は2番手で呼ばれながらも、存在感はしっかりとアピール。さらに1分間のフリーポーズでは、事前に「1発目から気合い入れてやるのでお楽しみに!テーマは『感情爆発』」とSNSで綴っていたように、和テイストのアップテンポなロックナンバー「桃源郷エイリアン」をBGMに情熱的なポージングを披露。粗削りさは否めないが、うっ憤を晴らすように感情を乗せたフリーポーズで審査員の心を奪い、見事に優勝の座を射止めた。

次戦は8月に神奈川県茅ヶ崎市で行なわれる日本ジュニア選手権、昨年のリベンジマッチとなる。

「ここ(東京選手権)まで必ずはやり切ろうと思ってきましたが、今回優勝できたので、日本ジュニアまで突っ走っていきたいです。やっぱりやるなら日本一を獲りたい。絶対優勝します!」

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