健康のために、何かを始めたい。でも時間もお金もかけられない。そんな人にこそ勧めたい、コンビニで買える「最強の1品」とは? 管理栄養士の山田賢児さんに聞きました。

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もし「コンビニでワンコイン以内、健康に投資するなら何が一番おすすめですか?」と聞かれたら、私はまず「ゆで卵」を挙げます。卵は、非常にバランスの取れた食品です。タンパク質、ビタミン、ミネラル、脂質など、糖質を除くほとんどの栄養素をしっかり含んでいて、それでいてコンビニで買う場合、価格は1個70〜90円ほど。コストパフォーマンス的にもかなり優秀だと感じています。
たとえば、コンビニでよく見かけるサラダチキンは1個250円前後します。あれも高タンパク食品として素晴らしいです。タンパク質の量だけで比べると卵よりサラダチキンのほうが多いかもしれません。しかしゆで卵であれば、複合的な栄養素が、ひとつの食品で摂れるのでメリットは大きいと思います。250円払うのであれば、ゆで卵を2~3個買うのもいい選択です。
サラダチキンを習慣的に食べていた人が、しばらくゆで卵に切り替えてみると、何かしら体調の変化を感じることでしょう。もちろん、その人の栄養状態や体調によって違いはありますが、「疲れにくくなった」「集中しやすくなった」といった声もよく耳にします。
もうひとつおすすめしたいのが、納豆です。価格も手頃で高タンパク、さらにビタミンB群が豊富です。このビタミンB群は、糖質や脂質のエネルギー代謝、タンパク質の合成など、体を動かす上で大切な働きを支えてくれます。加えて、納豆には食物繊維も含まれており、腸内環境の改善にもつながるという点でも、日常に取り入れやすい食品だと思います。
納豆はどうしても匂いが気になるという方もいらっしゃると思います。とくに職場などでは少し食べづらい場面もありますよね。そういう時は、やはりゆで卵が便利です。手軽で、どこでも食べやすく、嫌がられることも少ないので、取り入れやすさという点でも優れています。
私自身、風邪を引くことはあまりありません。もちろん体質もあると思いますが、やはり日々の食事の積み重ねがベースになっていると感じています。ときどき「忙しいのに、よく食事を意識できますね」と言われることもありますが、私にとっては、逆に整えておかないと毎日の生活がまわらないのです。パフォーマンスが落ちれば、仕事の質にも影響してしまう。だからこそ、日々の“整える習慣”を大事にしています。
健康のために特別なことをしなくても、日々のちょっとした選択が積み重なって、少しずつ体は変わっていきます。サプリや特別な食品に頼る前に、まずは今日、ゆで卵や納豆を買ってみる。それだけでも十分「健康への一歩」になると私は思います。
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