エントリー数は75人、ここ数年の大会では類を見ない大激戦となった「第36回ジャパンオープン選手権大会」(ルミエールホール/大阪門真市)の男子ボディビル部門で、地元出身の30歳、藤井貫太朗が頂点に立った。
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興奮冷めやらぬ中でバックステージで話を聞くと、「うれしいですし、ホッと安心した気持ちです」と柔らかな表情を見せた藤井。昨年、ミスター大阪(大阪ボディビル選手権優勝)を勝ち取り、体重別の日本一決戦「日本クラス別ボディビル選手権」では70kg以下級2位と、着実に実績を積んできた。
迎えた2025年の目標は、当然、さらにその上。階級別で優勝し、日本選手権でのファイナリスト入りだろう。ジャパンオープンは日本選手権に次ぐハイレベルな大会ではあるが、必ずしも出場が必須の大会というわけでもない。だが、「開催地が大阪ということで出場を決めました。ここで大阪の選手が活躍するところを見せたかった」と話し、見事に有言実行となった。
昨年のワールドカップでも実績を残し、この日午前の日本クラシックボディビル選手権でオーバーオール優勝の井上貴文、ミスター東京の泉風雅、ミスター神奈川の小坂元雄斗ら強力なライバルたちとのステージではあったが、蓋を開けてみれば予選比較審査では7人中6人の審査員が1位票を投じた完勝劇。隙のない、完成度の高い身体で金メダルをつかんだが、最終的な仕上げはまだまだこれからだ。
「絞りは自分の強みであると皆さんに言っていただけますが、筋肉の迫力はもっと出していけるようにとはずっと思っています。日々の生活を悔いないように、妥協のないようにトレーニングで追い込み、食事も含めて徹底することを1年間通してやってきて、それがこの結果につながったのは嬉しく思います。今日はシーズン初戦ということで、まだまだ絞りはいけるので、日本クラス別でも評価されるコンディションにもっていきたいと思います」
次戦は、9月7日に千葉県で行われる日本クラス別選手権。藤井がエントリーした75kg以下級には、彼と同タイプで隙のなさが光る四十物悠弥(東京選手権2位)、昨年のジャパンオープン優勝で日本選手権ファイナリスト入りをはたした江川裕二、昨年の日本ジュニア優勝、超新星として期待される渡部史也ら、強烈な選手がずらり。大阪が誇る絞りの名手が、さらに磨きをかけたボディで注目の一戦に挑む。