衝撃の強さで空手全国大会7連覇を達成したスーパー高校生 未来の世界チャンピオンが見据えた次なる野望とは




去る7月19日(土)~20日(日)、京王アリーナTOKYO(武蔵野の森総合スポーツプラザ)で『カラテドリームフェスティバル2025全国大会』が開催された。これは、世界最大規模のフルコンタクト空手団体・新極真会が主催する年に一度の真夏の祭典で、幼年から71歳までの空手家がそれぞれの頂点を目指す年代別日本一決定戦のこと。2008年のスタートから出場者は増加の一途をたどり、今年は組手・型の全222部門にのべ3,273名がエントリーするMEGAスケールのイベントに成長した。

村田哲成選手

【フォト】村田選手の躍動感あふれる組手

今大会から、小学生、中学生、高校生の全日本選手権(上級)は、昨年4月から全国各地で開催されてきた選抜戦での権利獲得者のみが出場できる選抜制へ変更となったが、選ばれし者が覇を競うハイレベルなトーナメントにおいて、圧倒的な強さを見せたのが高校1年生の村田哲成(むらた・てっせい)選手だった。

この大会の2ヵ月前には、高校生から出場が可能となる一般部の『第2回国際フルコンタクト空手道選手権大会』の軽中量級に初挑戦した村田選手。ジュニアとは異なり、素手・素足で年長者ばかりと闘う76名のトーナメントにおいて、何と村田選手はいきなりの準優勝をはたす衝撃のデビューを飾った。しかし、これが小学4年生以来の敗北だったということもあり、村田選手本人は一般部の全国大会での準優勝という快挙よりも、6年4ヵ月ぶりに味わう悔しさのほうを強く感じていた。

「負けてからしばらくは気持ちが落ちていたんですけど、道場の後輩たちのがんばっている姿を見て、自分も負けていられないなと気持ちが入りました。5月のJFKO国際大会で体の弱さを実感したので、ドリームフェスティバルまでの2ヵ月間、ベンチプレスやデッドリフトなどの重量をそれまでよりも重くして、体づくりを重点的に行なってきました」(村田選手)

昨年まででドリームフェスティバル6連覇という大記録を打ち立てている村田選手は、12名がエントリーした高校生男子軽重量級に出場。初戦となった渡久地政臣選手との準々決勝では、上段ヒザ蹴りで早々に技有りを奪うと、三日月蹴りで相手のボディに狙いを定め、下突きの連打で一本勝ち。

続く大野愛善選手との準決勝では、「圧力が強い大野選手に下がることなくしっかり打ち合えたので、トレーニングの成果が少し出たのかなと思います」と真っ向勝負を演じ、上段前蹴りで技有りを奪取。本戦5-0で完勝を収めた。

そして迎えた金乙道輝選手との決勝では、狙いすました上段前蹴りで2度の技有りを獲得し、合わせ一本勝ち。全3試合のいずれも一本か技有りを奪う圧巻の内容で、大会7連覇を達成した。

「JFKO国際大会が終わってから1発目の試合で、絶対勝たないといけないと思っていたので、勝つことができてホッとしています。次は全九州大会の一般部に出場するので、地元の選手としてしっかり優勝して、その後は来年5月のJFKO全日本大会に向けて準備していこうと思います」(村田選手)

右肩上がりで進化を続け、ジュニアのカテゴリーを超越した活躍を見せる16歳は、来年5月の『第10回全日本フルコンタクト空手道選手権大会』(JFKO全日本大会)優勝を大目標に定めている。まずは8月24日(日)に村田選手の地元・福岡国際センターで開催される『第38回全九州空手道選手権大会』の男子フルコンタクト中量級(一般部)で、年長者を相手にどんな内容や結果を残すのか。大いに注目したいところだ。

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