“グラビア仕込みの美ボディ”後藤智香、道場トレでプロレス汚名返上なるか 16kg増量で臨む決戦




効果的なトレーニングを継続していけば筋肉をつけること、肉体を大きくすることはできる。ただ、努力だけではどうにもならないのが身長、である。大きいほうが圧倒的に有利になるプロレスラーにとって、長身というのはそれだけで武器になるし、嫌でもファンの期待も大きく膨らんでいく。

8月22日に地元・サンパール荒川にて凱旋興行が決定した後藤智香。岩谷麻優へのチャレンジマッチはプロレスラーとしての『出世試合』となるか?

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昨年5月に旗揚げした女子プロレス団体、マリーゴールド。その旗揚げ戦でデビューした後藤智香は、そういう意味でもいきなり注目の存在となった。身長173cmは日本で活躍する女子プロレスラーではトップクラス。もともとグラビアなどで活動していたのでスラッとしたスタイルを誇り、もうリングに登場するだけで華がありまくり。

パートナーの天麗皇希(あまれい・こうき)も170cmの長身。このふたりによるタッグチーム『ツインタワー』は世界でも通用しそうなスケール感から、いきなりタッグチャンピオンになってしまうのでは? という声が出るほど、デビュー戦から期待は最高潮に達していた。

だが、プロレスはそんなに甘いものではない。タッグ王座決定トーナメントで敗退すると忽ち失速。パートナーの皇希はシングルプレーヤーとして開花し、プロレスリング・ノアが認定するGHC女王座の初代チャンピオンにも輝いたが、後藤智香はズルズルと後退。いつしか前座試合が定位置になっていった。

理由は明確だった。その長身を活かせるだけの体力がまだ追いついていなかったのだ。得意技のジャイアントスイングも回しているうちにバランスを崩して倒れ、客席から失笑が起こることもたびたび。正直「ダメな女子プロレスラー」だった。本人は焦りに焦っていたが、短期間の鍛錬では基礎体力がイッキに増強することなどありえない。長くて暗いトンネルにはまった後藤智香はもがき、苦しみまくっていた。

旗揚げ当初、マリーゴールドには道場がなかった。ジムワークのほか、他団体の道場などリングが常設されている場所を借りて練習していたが、あくまで時間借りなので居残って練習を続けることはできない。すでにプロレスラーとしてのキャリアを積んでいる選手は基礎ができあっているので、さほど長い練習時間はいらないし、アマチュアスポーツで実績を残してきている選手も短時間で効果的なトレーニングをする術を知っているから、そんな環境下でもグングン伸びていったが、芸能界からの転身でプロレスをはじめたばかりの後藤智香にとって、同じ練習時間では成長するには足りなすぎたようだ。

そんなマリーゴールドに先日、待望の専用道場が完成。これでその気になれば毎日でも、何時まででもリングで練習することができるようになる。出来上がったばかりの道場で後藤智香は気持ちを新たにしていた。

リングが常設された待望の専用道場で汗を流すマリーゴールドの選手たち。今後の試合でのレベルアップが大いに期待される

「もうね、ここに通いまくりますから、私。家から自転車で通えなくもないし……あ〜っ、さすがに往復1時間以上はしんどいかな? いや、毎日、1時間以上も自転車を漕いだら、それだけでトレーニングになりますよね。よしっ、後藤智香は誰よりもこの道場に通っている選手になります! このあと私が成長したら、それはもう道場での練習の成果ってことになるし、ファンの方にも『やっぱりマリーゴールドに道場ができてよかったよね』と実感してもられるじゃないですか? 見ていてくださいよ!」

彼女の言動に自信が感じられるのは、デビューから1年3カ月が経って、ようやくここまでの努力の成果が見え始めているから。体重は1年3カ月で16㎏も増量。それもあって体幹もあきらかにしっかりしてきて、ジャイアントスイングを失敗することもなくなってきた。時間をかけてつけた地力に道場での日々の鍛錬の成果が上積みされれば、もう一歩、先に進めるかもしれない。

実家が居酒屋を営んでいることもあり、道場開きでは「ちゃんこ番』として超美味な鍋を振る舞っていた。間違いなく団体屈指のムードメーカーである

8月22日(金)には東京・サンパール荒川にてプロレスラーになって初の凱旋試合が決定した。サンパール荒川学生時代の合唱コンクールや成人式に会場にもなった場所、というガチ地元。しかも対戦相手は『女子プロレス界のアイコン』岩谷麻優に決定! 先日までの『ダメな女子プロレスラー』から脱皮できるか否かの重要な一戦。はたして道場の成果はリングにどれだけ反映されるのか、注目したい。

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