読者の皆さん、こんにちは! VITUP! 編集部の森本です。
ボディビル競技を取材して約5年が経とうとしていますが、選手から “マッチョあるある”を聞くことがあります。生活全般において、筋肉をつけていると何かと困りごともあるものです。

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たとえば睡眠の場面。三角筋や大胸筋が発達していると、横向きに寝た時に筋肉が圧迫され、しびれや痛みの原因になることもあるそうです。さらに、大胸筋によって胸郭が丸まり、睡眠中に巻き肩姿勢になってしまうことも。下半身では筋量の増加で腰痛が起こる場合もあり、理想的な睡眠がとれないことに悩む声は少なくありません。
今回はそんなマッチョの睡眠にスポットを当てたアイテムを取材しました。日本最大の国際スポーツ・健康産業専門展「SPORTEC2025」(7月30日~8月1日)で出会ったのが「GORIマッチョレス」。これは、株式会社東北イノアックと、整体師でありフィジーカーの木村誠先生(きむら整体院 院長)が共同で開発したものです。

このマットレスは、低反発と高反発の中間ほどの硬さになっており、沈みこみすぎないことで巻き肩や猫背を防止。また、中央がわずかに盛り上がった構造をしているため、胸椎を押し上げることで、仰向けになった時に肩と胸が自然に開きます。これが呼吸のしやすい理想の寝姿勢へと導きます。
胸が開いて横隔膜の動きがスムーズになることで酸素供給も安定し、成長ホルモンの分泌や筋肉の回復、疲労除去を促す効果が期待できるなど、ストイックに鍛えたマッチョの休息に適しています。まさに“睡眠もトレーニングの一部”といったところでしょう。
そんなGORIマッチョレスに、筋肉隆々とは程遠い細身ボディの私が寝てみました。何もマッチョでなくても、一般体型の人にもおすすめできる寝具だと木村先生は語ります。

寝てみた第一印象は「仰向けが気持ちいい」ということでした。私はもっぱら寝る時は横向き派で、仰向けになっても寝苦しい、腰に違和感があるなどで、気づくと横を向いていることが多々あります。“胸郭を開いた理想の寝姿勢”とは程遠い私でしたが、GORIマッチョレスは適度な沈み込みで腰も痛くならず、これなら朝まで仰向けで快眠できそうです。
ここで木村先生が、寝ている私の脚の位置を微調整していきます。「これが真っすぐの寝姿勢ですよ」と言われましたが、個人的には体が曲がっている気がしてなりません。これで違和感がある人は体が歪んでいると聞き、日頃の姿勢から見直さねばと思った次第でした。
「ボディビルダーやアスリートが、筋肉が大きくなると横向きで寝られないとか、呼吸がしづらいといった悩みがあると聞いて、私もトレーニングを続ける中で同じことを感じていたので、どうにかできないかと思っていました。地元でマットレスを含めたウレタン製品の開発・製造を行なっている東北イノアックさんに相談したところ、マットレスの形状次第で改善できるかもしれないという話になり、今回の商品開発に至りました。理想の寝姿勢は仰向けなので、それを実現できるよう共同で設計開発を行ないました」(木村先生)
ちなみにこのGORIマッチョレス、枕は使わずに寝ることを推奨しています。たしかにマットレスの中央が膨らんでいるので、枕を使わないほうが、背骨は自然なS字カーブになるように感じました。マットに厚みがあるので、床にそのまま敷いても使えるとのことです。
SPORTECで出会った新感覚のマットレス。キャッチ―なネーミングが目を惹く寝具には、筋肉と健康への愛が詰まっていました。