YouTubeに投稿しているボディビル解説動画が話題の筋肉マニアが、毎週一人のボディビルダーをピックアップして紹介していく連載「解体筋書」。今回は、2023年神奈川選手権優勝の大久保恵介選手です。
絶望感すら覚えるパンパンの筋肉
大久保選手は、神奈川県連盟所属のボディビルダーで、2023年にMr.神奈川優勝、昨年は日本クラス別80kg以下級で6位という成績を残しています。
彼の特徴は、全てを凌駕する圧倒的なバルクです。どの部位も張り裂けそうな程に筋肉が詰まっており、フロントラットスプレッドの張り出しやサイドチェストの筋密度は圧巻です。極め付きは下半身。膝回りのカットの深さもさることながら、胴体のような太さの大腿部には言葉を失います。フロントポーズのみならず、サイドやバックポーズでも脚の巨大さは群を抜いており、刈川・杉中に並ぶ現代版トム・プラッツ(1980年代に活躍した世界最強クラスの脚を持つ伝説のボディビルダー)と言っても過言ではないでしょう。
ポージングも安定しており、如何なるポーズでも絶望感のあるバルクを見せています。ウエストの太さは、プロポーションタイプの選手と並んだ際にやや不利に働いてしまいますが、それを持ち前の広がりでカバーしつつ、重厚感という強みに昇華しています。サイズ、バランス、ポージング、どこをとっても極めて弱点の少ない大久保選手ですが、唯一の課題は仕上がりです。逆に言えば、ベストコンディションを持って来れれば日本選手権ファイナリストも十分にあり得る選手だと思います。
今年、大久保選手は日本クラス別85kg以下級に出場予定で、選手名簿通りに開催されるのであれば、ジュニア時代のライバルである椎名拓也選手との再戦が実現することになります。椎名選手は以前にも紹介した通り、美しいプロポーションと類稀なポージングセンス、極限の仕上がりが強みの選手です。ある意味、大久保選手とは対になるような選手ですが、互いにファイナリスト間近とも言えるボディビルダーになった今こそ、対戦が楽しみです。
今回は、大久保恵介選手についてお話しさせていただきました。日本クラス別、日本選手権と、ダークホースがどんな活躍を見せてくれるのか目が離せませんね。
次回は、ボディビルの秘境・沖縄が生んだ異次元の肩腕を持つ男についてお話しします。お楽しみに!
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