JBBF(日本ボディビルフィットネス連盟)主催の大会ではあるものの、8月の最終日に新潟県という地方都市での開催も影響したか、お世辞にも「大観衆の中で…」とはならなかったこの日。だが、その中でひと際多くの声援を受けながらステージで強く美しく舞った女性がいた。
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「新潟の星、輝いているよ!」
そんな観客席からの声に応えるように笑顔を見せ、華やかなポージングを見せたのは、宮田みゆき(60)。「第37回日本マスターズボディビル選手権大会」の60歳以上級に出場した彼女は、年齢別のクラス優勝のみならず、階級の枠を超えたオーバーオール優勝を成し遂げた。
「今回は、生まれ故郷である新潟での開催ということで、7月の高校の同窓会で42年ぶりに会った友人たちが、みんなで団結して応援しにきてくれたんです。だから、何が何でもこの大会は獲りたいという思いがありました。その声援がものすごく大きな力になり、本当に感無量ですし、今はとにかく皆さんに感謝の気持ちを伝えたい思いでいっぱいです」
自己最高位は、2021年の日本女子フィジーク選手権(無差別級の日本一決定戦)での3位。だが、変形性股関節症の治療のために翌年は手術に踏み切り、昨年に復帰。「今まで自分のアピールポイントとは言っていなかったのですが、今年は脚が特に成長できたのかなと思います。木村卓矢トレーナーが本当に細かく、私に合ったトレーニングを考えてくれています」と、大きな困難を乗り越えての勝利であった。
マスターズという年齢別の日本一を経て、次戦は、再び真の日本一を決する舞台となる。
「昨年はベスト6に入ることができませんでした。ただ、手術後のシーズンだったこともあり、『何位までに入りたい』という意気込みはそこまで強くなかったんです。とはいえ客観的に見ると『ちょっと甘いな』という部分はあったので今年は、まずはしっかりと仕上げることを目指したいです」
今大会で新たに取り入れた調整法も、引き続き試していきたいと話す。
「実はカーボアップも、これまでは少し恐れている部分がありました。でも、吉と出るか凶と出るか、今日に向けては勇気を持って今までにないようなことをやってみたんです。おにぎり30個だったり、黒砂糖を一袋だったり…(笑)。今回はそれがなんとなく良い感じにできた感触があるので、次戦でもう一回トライしようと思っています」