昨年旗揚げした女子プロレス団体・マリーゴールド。その中心選手の一人、青野未来はもともと芸能活動をしていた。2017年6月にプロレスデビューをはたし、現在まで数多くのタイトルを獲得。可憐なヴィジュアルからは想像がつかないほどのパワーの持ち主である青野に、体つくりの秘訣を聞いた。全3回の第1回は、青野がプロレスラーになるまで、そしてなってから感じたことのお話を。

自分の体にはすごくコンプレックスを持っていた
今や女子プロレス界において屈指のパワーファイターとして知られる青野だが、どのような学生時代を過ごしていたのだろうか。
「小学校のときに水泳をやっていたぐらいですね。一応バスケ部にも入っていたんですけど、ちょっとしか行っていなかったので……でも趣味でボディボード、サーフィン、スノーボードはやっていましたが、大会に出るようなことはしていませんでした。今はゴルフが好きですね(笑)。学生の頃は、やっぱり細くなりたかったので、痩せるといっても『食べない』みたいな極端なことをしちゃっていました。ご飯は食べないけど、甘いものだけ食べたりとか、ソフトクリームだけ食べたりとか……今思うと、あまり良くない痩せ方でしたね」
青野は専門学校に通っていた19歳の時に、アイドル活動をスタートし女優業へ活動の幅を広げた。このタイミングで「人に見られる」ことを意識し始めた。
「グラビアもやっていたので、意識はするようになりました。ただ、自分の体にはすごくコンプレックスを持っていたんです。水泳をやっていたこともあって、ガッチリ系で痩せてもそんなに細くならなくて……多分、骨太でもあるんで(自分の体つきが)嫌でしたね。でも体つくりのために、走ったりジムに行ったりし始めました。ホットヨガにも行くようになりましたね」
腹筋が割れている写真がアップされているのを見て嬉しかった

2017年6月、青野は26歳でプロレスデビューをはたした。「女優がプロレスをする」というコンセプトのアクトレスガールズのリングだった。
「体のつくり方は変わったんですが、女優がプロレスをするリングだったので、いわゆるガチガチの方は少なかったんですよ。私も、正直なところプロレスラーに見えないような体のままでいたいなと思っていました。太りたくなかったですし、筋肉もあまりつけたくないと思っていたんですが、デビューの時に絞って腹筋が割れたんですよ。その写真がアップされているのを見て、うれしかったんです(笑)。それからですよね、こういう筋肉の美しさもあるんだと思って、筋トレにも力が入るようになりましたね。(受け身に関しては)ある程度脂肪をつけておいたほうがダメージは残らないと思います。ただ、私はガリガリになったことがないので(笑)。細い子は、痛そうにしていますね」
ある意味、青野の細すぎず太すぎずの体型はプロレスラーとしての理想形のようにも思えるが……。
「本当ですか?うれしいです。でも、顔と体のバランスがおかしいってよく言われんですよ(笑)。顔に比べて体の方が大きくて、バランスが悪いのかなとも思うのですが、今はコンプレックスも嫌な思いもなくなりました。プロレスをやれていることが、本当にうれしいことなので」
(7日掲載の#2へ続く)
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