見事なバランスと堂々たる筋肉量! 日本選手権ファイナリスト返り咲きを狙うベテランビルダー~松尾幸作【筋肉マニアのビルダー解体筋書】




YouTubeに投稿しているボディビル解説動画が話題の筋肉マニアが、毎週一人のボディビルダーをピックアップして紹介していく連載「解体筋書」。今回は、2025年日本クラス別70kg以下級優勝の松尾幸作選手です。

【フォト&ムービー】若手に打ち勝った松尾のボディ

7年振りの日本クラス別優勝

先日、日本クラス別ボディビル選手権が開催されました。今年も様々なドラマがあった本大会ですが、全体を通して印象深かったのはベテラン勢の活躍です。70kg以下級では、今年のMr.東京である泉風雅選手や元日本選手権ファイナリストの須江正尋選手など、名の知れた実力者が揃う中、松尾幸作選手が実に7年振りとなる優勝を果たしました。近年は成績が伸び悩んでいただけに、優勝確定後の松尾選手の漢泣きはグッと来るものがありました。

松尾選手は、2019・2021年の日本選手権ファイナリストで、最高成績8位の言わずと知れた日本のトップビルダーです。2022年からは若手の台頭もあり、ファイナリストから外されていましたが、激戦の日本クラス別を制した事でTOP12への返り咲きも現実味を帯びてきました。

際立った強みのある選手ではありませんが、全身バランス良く発達しており、厚みや筋肉量、アウトライン、仕上がりについても流石と言うべき完成度をしています。特に下半身は、ハムストリングスのカットや外側広筋の張り出しが強力で、仕上がりがハードであれば臀部のストリエーション(筋繊維が浮かび上がった状態)と合わせて一段と目を引きます。背中については、ポージングと広がりに課題を残している状態ですが、全体的に見ても弱点はかなり少ない選手だと思います。

松尾選手は肉体だけでなく、気さくでサービス精神に溢れた素晴らしい人格者でもあります。私が日本選手権後の松尾選手に写真撮影をお願いした際には、疲れているにも関わらず、自ら絞れた体とポージングを披露してツーショットを撮ってくれました。彼の人柄の良さがあるからこそ、今回の日本クラス別における7年振りの優勝に感動した方は多いのではないでしょうか。

今回は、松尾幸作選手についてお話しさせていただきました。激しい世代交代が行われる中、意地を見せるベテラン勢の活躍は、心震えるものがありますね。日本選手権でのファイナリスト返り咲きを大いに期待したいです。

次回は、国際大会を総なめにした軽量級新王者についてお話しします。お楽しみに!

▶次ページ:松尾選手のステージフォト&ムービー

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