「日本一の体をつくればいい」不惑を超えてもボディメイクに妥協なし BBJ公認講師の肉体哲学




「まずは、うれしいと同時に一安心です」

8月23日に行われたBEST BODY JAPAN東京大会。マスターズクラス(40歳〜49歳)で見事グランプリに輝いた鈴木達也は、満面の笑みの裏に秘められた覚悟をそう語った。

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「今シーズンはここまで、東京大会だけに絞ってきました。ここで優勝することは目標ではなく、『使命』。ベストボディジャパン公認講師として、選手に憧れられる姿を見せなければいけない。だからこそ、体の仕上がりには徹底的にこだわりました」

昨年の日本大会は5位。その成績を超えるべく、自身のステージをアップグレードしたと言う鈴木。その言葉には、指導者と選手という2つの顔を持つ矜持が滲んでいる。

「今回の東京大会は一つの目標であり通過点。ここで圧倒的な仕上がりを見せたかった。男性選手にステージに立つ上でトップレベルの仕上がりの基準値を、見る人すべてに感じてほしかったんです」

普段は、公認講師やパーソナルトレーナーとして指導にあたり多忙な日々を送っている。

「生徒さんを教える立場になったからには、ベストボディをつねに追求し、それを維持し続けていかなければ、指導に説得力がなくなってしまいますからね。競技から離れ、指導者になっても、終わりがないのがボディメイクの魅力でもあります」

不惑を超え自身の体と向き合う日々。周囲の理解と支えにも深い感謝を抱いている。

「周囲の理解とサポートがあってこそ、選手としても指導者としても全力を注げる環境がある。あらためてそのありがたさを実感することができました」

今大会はあくまで先を見据えた戦い。すでに日本大会への気持ちは高まっている。勝つために鈴木が掲げるテーマは明快だ。

「日本一の体をつくればいいんです。日本大会ではさらに進化した圧倒的なステージで会場をアッと言わせたいですね」

東京大会の勝利はミッションの途上。いよいよ本当の勝負が幕を開ける。指導者でありながら、選手として果敢に挑む姿勢を体現する鈴木。日本大会に要注目だ。

取材・文・写真/石川哲也