健康的な肉体美を競う「BEST BODY JAPAN」で活躍する小久保直子。彼女は還暦を前にボディメイクを始めた。5月のさいたま大会で準グランプリに輝き、8月23日の東京大会ではプラチナクラス(60歳~年齢無制限)にも挑戦。結果は4位ながら、舞台を降りた直後の表情は晴れやかだった。
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「49歳で離婚、乳がん、失業と続き、50代はどうなるのか? と本当に不安でした。でも50歳の誕生日に、年下の今の夫からプロポーズしてもらい、気持ちが大きく変わりました。病気の再発の心配もどこ吹く風と、元気にやりたいことをやらせてもらっています」
60歳を迎える節目に掲げたのは、「赤いビキニを着てビーチ撮影をする」ということ。夢を実現するため、ボディメイクに本格的に取り組む決意を固めた。
「今年2月からレッスンを始め、5月にはさいたま大会で準グランプリ。還暦の誕生日には本当に赤いビキニを着てビーチで撮影できて、夢が叶いました。その後も毎朝4時に起きて筋トレする生活を続けてきましたが、東京大会では緊張で思うようなポージングができませんでした。それでも、レベルの高い大会に出場して得られた経験そのものが勉強になったと思っています」
日々の生活には規則正しいトレーニングと食事管理が組み込まれている。さらにズンバのインストラクターとして体を動かす時間も多く、1日の大半を健康的に過ごすことができている。
「次の目標は日本大会。最後の10人に残るのが目標です。そのために規定ポーズももっと磨いていきたい。日本一を目指すのはもちろんですが、60歳からでも夢に挑戦できると証明したいんです」
還暦の節目に目標を見つけた小久保。その歩みは決して特別なものではなく、日々の積み重ねと健康的な生活習慣がつくりあげたものでもある。
「ボディメイクに集中できるのは夫や周囲の友人、仲間のおかげ。私ががんばることで、みんなが喜んでくれる。それが一番うれしいし、やりがいにもなっています」
これからも彼女は、年齢を理由に夢をあきらめかけている人たちに「遅すぎることはない」というメッセージを送り続ける。
取材・文/石川哲也
写真/BEST BODY JAPAN