美筋プロレスラーとして知られているちゃんよた。パワーリフティングなどで鍛えた筋肉を武器にプロレスのリングで活躍する傍ら、肉体美を競うボディコンテストへの出場も続けてきたが、この夏、大きなチャレンジに臨んでいた。
それは女子プロレス団体・マリーゴールドが主催する『DREAM STAR GP2025』への出場。8月2日から9月14日まで日本中をサーキットしながら連戦する過酷なリーグ戦への初エントリーとなった。
地方での試合も多いので長距離移動もある。そんな中、いったい彼女はどうやってコンディションを整えてきたのか?
「今年の夏はコンテストへの出場はなく、プロレス一本だったので、まだ調整はしやすかったです。コンテストがあったら、体を絞らなくてはいけないので、カロリー計算をしたり、食事だけでも大変だったと思います。まぁ、だからといって、食事をおろそかにしていたわけではないんですよ。基本的に試合後、居酒屋に飲みに行くこともなければ、その地域の名物を食べに行くこともない。ホテルの近くにスーパーがあったら、そこで刺身を買ってきて食べる、とか。日本中で試合をしても名物は食べないんですよ。プライベートで旅行に行ったときぐらいしか食べない(笑)。はい、すべては体調面優先です!」
昭和の時代はプロレスラー=暴飲暴食みたいなイメージがあったが、いまではしっかりとカロリーに気をつかって体調を整えるレスラーも多い。とはいえ、やっぱり「スーパーで刺身」はかなり異色の存在である。
そして女子プロレスならではの事情もある。基本、女子プロレスの試合は土日の昼間に開催されることが多い。いわゆるデーゲームだ。午前11時試合開始だと、選手たちはもう朝の時間帯に会場入りしなくてはならない。そうなると食事の質やタイミングも難しくなってくる。
「本当は試合前には食べ物を入れたくないんですけど、なにも食べないとパワーが出ないので、朝、おにぎりとプロテインですかね。地方に行くときはキャリーバッグにプロテインを詰めていきます。あとは高吸収のサプリとバナナぐらいですよ」
それで試合をやって、夜はスーパーで刺身となると、スタミナ面が心配になってきてしまうが、そのあたりはしっかりとコントロールできている。その食事で効率よくパワーを発揮できるのは、さすがは筋肉のプロフェッショナルである。
「ただ、私はホテルだと熟睡できないタイプなので。それはちょっと厳しかったですね。今回も開幕戦は大阪で昼夜2連戦をやって、そのまま広島へ移動だったので……」
リーグ戦という性質上、毎日がシングルマッチ、しかも全員がトップレスラーという過酷なスケジュール。これまでのキャリアでのここまで経験値がないちゃんよたにとっては未知の領域でもあった。
「たしかに大変でしたけど、すごく成長させていただきました。どんなに練習をしても、実際に試合をやらないと得られないものがプロレスには多いんですよ。リングでの空気感とか、試合中の間(ま)とか。それを毎試合、実践で学ぶことができたのは貴重でしたね」
しなやかボディーの女子プロレスラーが増えた昨今、筋肉ムキムキのちゃんよたの存在はそれこそ貴重だ。地方大会だとはじめて女子プロレスを生で見るお客さんも多い。そんな人たちがちゃんよたの筋肉を間近で目撃して「やっぱり女子プロレスラーってすげぇ〜!」となる。それだけで価値ある存在だ。
「肉体だけで金がとれるプロレスラー、というのは本当にありがたい評価ですよね。それに恥じないように、いちばんトレーニングをやっている女子プロレスラーだと胸を張れるようにこれからも励んでいきたいと思います」
リーグ戦では白星スタートをあげて、一躍、ダークホース候補として注目されたが終盤、失速。9.14後楽園での最終戦では実力派のMIRAIとの公式戦が組まれている。
「優勝の可能性がなくなってしまったのは悔しいですけど、このままでは終われませんから! 最後まで私の公式戦に注目していてください」
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