あふれんばかりの自信を見せつけながら、筋肉に力を込めていく。ポーズを決めるごとに少しずつ前に出てきてしまうのは良くも悪くも彼の癖であるのかもしれないが、その堂々っぷりは相変わらず。帝京大学4年生の山田晃義(やまだ・あきのり)は、今年も関東学生フィジーク王者に輝いた。
【フォト&ムービー】堂々としたオーラはすでに一流フィジーカー
9月13日に東京・ひの煉瓦ホール(日野市民会館)で開催された「第6回関東学生フィジーク選手権大会」。昨年の全日本学生フィジーク王者でもある山田は最終学年を迎え、有終の美に向けて歩み出した。結果は176cm以下級で優勝し、各階級王者とのオーバーオール戦も制した。だが、4年生であるが故に、苦労した部分があったと話す。
「今年は消防士の試験を受けました。でも、その試験対策でかなり精神的に力を使ってしまい…減量に着手するのも遅くなってしまいましたし、何より疲労が溜まった状態だったので、なかなか思うようにコンディションが進まなかったのもあります」
確かに、昨年のステージと見比べてみるとベストの状態ではないようには感じるが、それでも他の選手を圧倒していた印象だ。フィジークで評価される身体をつくり上げることが一番、それと並行してしっかりと見せるポージングの技量を高めること。さらに、全体的なオーラと言えるだろうか、ウォーキングを含めて「この選手は良い」と思わせるステージングもポーズの種類が少ないフィジークだからこそ重要であり、その点で山田は群を抜いていた。
2週間後には日本各地の猛者が集う全日本学生選手権が同会場で行われる。目指すは学生チャンプ2連覇だ。
「自分ができることを精いっぱいやるだけです。今日は去年と比べたらちょっとコンディションを落としてしまいましたが、全日本ではしっかりと合わせます」
なお、試験は無事に合格し内定を獲得済みとのこと。学生最後ステージでは、一段と輝く彼のステージを楽しみにしたい。