9月21日に開催されたJBBF(日本ボディビル・フィットネス連盟)主催の第5回日本クラシックフィジーク選手権、168cm以下級を制したのは岡典明(おか・のりあき/38歳)。自身2度目の優勝となった。
【フォト&ムービー】長い腕を堂々と広げるクラシックポーズは圧巻
2022年まではメンズフィジークを主戦場にしていた岡。だが、カテゴリーの評価基準の変化と自身のボディの進化に伴い、カテゴリーを転向。2023年にクラシックフィジーク初参戦でこの階級でトップに立ち、昨年は欠場したものの、今回も見事に金メダルを獲得。「ホっとしています」と安堵の表情を見せたものの、同時に悔しさもにじませた。
「予選審査のファーストコールでセンターで呼ばれなかった(※)ので、正直、負けたかなと思っていました。優勝できて少しホっとしているのですが、オーバーオール優勝も獲るというのが僕の中の目標だったので、満足はしてないんですね」
※ファーストコールは、基本的にその時点での上位選手が比較のために呼ばれる。中でもセンターの立ち位置に呼ばれる選手がもっとも順位が高いことが多い
2年前と同様に、各階級王者が集うオーバーオール審査では、五味原領、川中健介というこの競技で世界でも実績を残す2人に続く3位。ただ、審査表を見ると五味原はずば抜けているものの、川中とは1点差。身長は小柄ながら上半身の立体感と上腕の充実度は明らかに2年前より増しており、着実にクラシックフィジークという競技に順応してステップアップしていると言えるだろう。
「(この競技特有の)バキュームポーズがどうしても苦手で、ポーズの安定性を意識して取り組んできました。身体づくりの面ではまだまだ脚が弱いので、内転筋を鍛えるといった部分にアプローチをかけてきました。階級別では『確実に勝てる』という自信を持って臨んだのですが、少し水を抜きすぎて予選まで筋肉が張る感覚にならず、決勝からようやく良くなって巻き返せたのかなと思いますが、そこは反省点です」
この日は175cmt超級で直野賀優が初優勝をはたしており、彼もまた、岡と同時期にメンズフィジークからクラシックフィジークへと転向してきた選手。直野は「自分が輝ける場所を見つけることができた」と話し、これは岡の言葉であるという。また岡も、大会後に更新した自身のYouTubeで「一番嬉しかったのは、直野くんの優勝。オーバーオール審査で一緒に並べるなと。メンズフィジークからの友人とカテゴリーを変えてまた戦えるのは嬉しいこと」と話している。
今シーズンはこの日をもって大会出場を終え、さらなる進化を求めてオフに入る。クラシックフィジークは身長に対して体重制限が設けられており、岡はそのギリギリのところでの調整だった模様。よりデカくなっていく過程で、再びカテゴリー転向もありそうだ。
「ゆくゆくは、ボディビルの日本クラス別選手権やジャパンオープン選手権に出場して、そこで一発回答というか、成績を残すのが一つの目標です。70kg級なのか、75kg級なのか…これから、探っていきたいと思います」
自分が輝き、評価される場所へ。これからも身体の進化を追い求めながら戦い抜いていく。