自身の歩き方に違和感を抱いていたマリーゴールドで活躍中の女子プロレスラー・南小桃。だが、本人はそれを遺伝によるものだと、思いこんでいた。

「じつはお母さんがすごくガニ股なんですよ(笑)。それでドタドタ歩いている姿をずっと見てきたから、あぁ、それで私もそういう歩き方なんだろうなって」
さすがにその可能性は低いのでは、ということで一度、セラピスト・JUNさんの施術を受けることになった南小桃。その数日後の試合を見て、ちょっと驚いた。入場時の歩き方からおかしな動きが消えていただけでなく、リング上での立ち居姿もシャキッとしているのだ。
「結論から言えば股関節がかなりズレていました。ズレた状態を維持するために足の筋肉も通常とは違う形でついてしまっている。それが常態化してしまったことで歩き方がおかしくなったり、試合中の動きがぎこちなくなったりしたんじゃないかと思われます。関節を正しい位置に戻しただけで、かなり改善されたんじゃないですかね? ケアしないでいると、また位置がズレてしまうかもしれませんが」(JUNさん)
あくまでも治療ではなく、調整なので、これで万事解決ではないが、たしかにリング上での見栄えはよくなった。これは偶然のタイミングかもしれないが、このころからメインイベントなどに抜擢される回数も増え、ファンからの評価も高まってきた。とくに試合中に繰り出すドロップキックは「あんなに高く、綺麗に跳べたっけ?」とファンが驚くほどフォームが変化していた。

「そうなんですよ! 施術していただいてから、すごく体が軽くなって、動きやすくなりました。そうしたらジャンプもしやすくなって、ドロップキックでポーンと跳べるようになった感じですね。すごくファンの方から褒められることが多くなって、私もうれしいです。姿勢もよくなりましたね。これはもう元に戻らないようにというか、猫背になってしまわないように日常生活から気をつけるようにしています」
専用道場がオープンしたこともあり、リングを使っての練習時間が増えたこともプラスに作用しているのだろう。いろいろな歯車が一気に噛み合いだしたかのように南小桃の飛躍がはじまった。
「今年の夏は『DREAM STARグランプリ』(主力選手総出場のシングル最強決定リーグ戦)にエントリーされなくて、すごく悔しい思いをしました。同じぐらいのキャリアのビクトリア弓月が決勝戦まで進んでいるので……絶対にこの差を縮めて、来年の『DREAM STARグランプリ』には堂々と出場して、結果を残したい!」
9月20日の新木場大会でもメインイベントに出場し、大いに会場を盛りあげた南小桃だったが、試合中に右目を負傷するアクシデント。大事をとって翌日からの試合は欠場することなったものの、診断の結果、大事には至っておらず、近日中に復帰予定とのこと。これまでは負傷のあとの欠場が長引くことが多く、それで出遅れてしまった感もあるので、早期復帰は明るいニュースだ。
地力さえしっかりしていれば、本当にちょっとしたきっかけでプロレスラーは急成長をとげることがある。今後の活躍に注目していきたい。