明後日12日、東京・江戸川区総合文化センターにてJBBF(日本ボディビル・フィットネス連盟)主催のボディビル競技の日本一決定戦「第71回日本男子ボディビル選手権」及び「第43回日本女子フィジーク選手権大会」が開催される。。
女子フィジークは、2連覇中の荻島順子が9月の日本クラス別選手権でも安定の仕上がりで158cm以下級を制しており、その牙城を崩すのは簡単ではない。上位常連となってきた阪森香理や原田理香、64歳の澤田めぐみらが例年同様に上位を争う構図は大きくは変わらないだろう。
ダークホースと言えるのは、8月のジャパンオープン選手権で優勝した澤下美香だ。2023年までボディフィットネスを主戦に戦い、今年から女子フィジークに参戦。合戸孝二の愛弟子であり、仕上がりのハードさは荻島にも劣らず、より“ボディビルダー”のような雰囲気を持つ。身長は147cmと出場選手の中で最も小柄だが、荻島も153cmであり、二人が並んだときにどう見えるかは注目したい。
男子は昨年、木澤大祐が20回目の日本選手権チャレンジでついに頂点に立ち、有終の美を飾って引退。2位の嶋田慶太(40)を優勝候補に推したいところだが、日本クラス別選手権でのコンディションは、彼のベストな状態と比べると調子が上がりきらずという出来であった。とはいえ、この日本選手権に照準を合わせているだろうから、あれから1か月での変化がどれくらいあるか。
注目は昨年3位の刈川啓志郎。初挑戦で銅メダルをつかんだ“昇龍”はまだ伸び盛りの23歳であり、ジュラシックカップでは優勝し賞金300万円を手にした。今年はYouTubeチャンネルも開設しさまざまな情報を発信してきたが、今大会に向けてはトーンダウンしており、この一戦に集中しているのだろう。今季一発目で強烈なインパクトを与えてくれるに違いない。
同4位の扇谷開登(28)も爆発的な筋量は言うことなし。昨年の時点ではポージングに課題を残していたが、むしろそれは大きなノビシロ。ホモサピエンスの最高傑作がついに筋肉の頂点に立つ可能性もありえるだろう。
そのほか、一度は引退を考えながら再起し、日本クラス別ではずばぬけた仕上がりで存在感を見せた須山翔太郎(44)、弱点がなくもっとも“ボディビルダーらしい”バランスを持つ寺山諒(30)、期待の若手から中堅の域に入ってきた杉中一輝(26)、吉岡賢輝(30)、喜納穂高(30)らも上位を狙う。さらに初のファイナリスト入りを目指すところでは、ジャパンオープン優勝の藤井貫太朗(30)、“超新星”渡部史也(24)、東京王者・泉風雅(27)、マッスルアーティスト・椎名拓也(26)、日本最重量級王者・芳賀涼平(32)、クラシックボディビル日本一・井上貴文(34)など、名前を挙げればきりがない。
はたして、日本No.1筋肉2025の座を手にするのは誰か?見逃せない戦いの幕が上がる。