持ち前の体幹の強さが大爆発! 青野未来、ビジュアルとはギャップのあるパワーで団体の頂点へ




旗揚げから1年半、2度目の両国国技館大会を10月26日に開催した女子プロレス団体・マリーゴールド。当日発表の出場選手に鈴木みのる(“大物M”として事前発表)やSareee(“大物S”として事前発表)が名を連ね、メインでは7年半ぶりに現WWEのスーパースターであるイヨ・スカイ(日本では紫雷イオの名で活躍)が岩谷麻優と対戦した(が勝利)。その中で、第8試合で団体の最高王座マリーゴールド・ワールド選手権に挑戦したのが青野未来だ。

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林下詩美も認める青野未来のパワー

赤いベルトを巻き笑顔の青野未来(写真/橋場了吾)

青野未来は、2024年5月のマリーゴールド旗揚げ戦から唯一の皆勤賞を達成。その丈夫な体は、依然のインタビューでも語られていた通り食生活にも秘密があった。その青野、昨年7月の両国国技館大会ではUN選手権の初代王者に輝いた。このゲンのいい場所で、林下詩美の持つマリーゴールド・ワールド王座から王座奪取は叶うのか。

青野は夏の最強レスラー決定リーグ戦『DREAM*STAR GP』に優勝し、林下への挑戦権を手に入れた。前哨戦でも2人は激しくぶつかり、勝ったり負けたりと実力は拮抗。青野は上背こそないものの、その抜群の体幹で自分より10kg以上も重い相手を軽々と投げ切るパワーを持つ。林下も「青野とのラリアットでは聞いたこともない音がする」と、青野の体の丈夫さ・パワーを認めているほどだ。

まず両国国技館のリングに入場してきたのが、挑戦者の青野。これまでの赤ベースに白の模様が入ったものから白ベースに赤の模様という、白を大目に配したコスチュームを新調。対する林下も赤ベースに金を大目に配した新コスチューム。両者ともこの大一番に賭けている気持ちの大きさが伺えた。

リスクを取ることは怖いが、その怖さがなくなる自分になりたい

初公開のハイジャックボムを決める青野未来(写真/橋場了吾)

17時20分、運命のゴング。前半はお互いの力量を測る展開。少しずつエンジンをかけながら、気持ちの強さを出していく2人だが、徐々に林下がパワーで押していく。対する青野の劣勢が続くも、エプロンの攻防では足場の悪い中スタイルズクラッシュを決めるパワーを発揮。トップロープに逆さ吊りにした林下に対し、容赦なくキックを叩き込んだ青野だが、林下も簡単にはペースを握らせない。強烈なラリアットの打ち合いで、ダブルノックダウン状態になる場面も。タイガードライバー→スタイルズクラッシュとパワー爆発の青野だが、3カウントを奪えず。すると青野は初公開のゲレーロスペシャルからワンセコンドEXへ。対する林下も奥の手・やり投げで青野をコーナーに叩きつけ、ハイジャックボムへ。これを凌いだ青野は、掟破りのハイジャックボムを決めて見事第3代マリーゴールド・ワールド王者に輝いた。

試合後、代表コメントで林下に感謝の気持ちを述べた青野は、あらためて取材に対し「(初公開のゲレーロスペシャルとハイジャックボムは)リスクもある技なので、ちょっと怖さもありました。でもこういうことをどんどんやっていかないと…その怖さがなくなる自分になりたいですね。やっぱり大きな試合なので、林下詩美のことを知りたくて映像はたくさん見ました。気持ちの部分は違いましたけど、(食事や練習は)あえて同じというか、他のことをすることが(調子を落とすリスクがあるので)怖いのはあって、万全で迎えたいので焦らずいつも通りの自分で臨みました」と語った。

青野未来が頂点に立ったことで、新たなフェーズに入ったマリーゴールド。前王者の林下もこのままだまっていないだろう。もちろんほかの選手も虎視眈々と青野の持つ赤いベルトを狙ってくる。その中で青野がどのような景色を見せてくれるのか、期待したい。

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