50代を迎えても進化は止まらず 筋肉隆々な52歳会社員、10年の歩みで磨いたボディで日本大会へ




10月25日に開催された、BEST BODY JAPAN(ベストボディジャパン/BBJ)首都圏大会。ベストボディ・ジャパン部門ゴールドクラス(50〜59歳)で準グランプリに輝いたのは、日頃会社員として働く稲田明男(52)だった。彼はこの日、じつはステージに立つ予定はなかったと語る。

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「1か月後の日本大会を目標にしていたので、今回は前哨戦のつもりで急遽エントリーしました。出てみたら、仕上がりの確認や課題の洗い出しができたので良かったです」

完成度はあと一歩と振り返る。それでもポージングの試行を含め、日本大会に向けて確実に感触を確かめた。「足りない部分が分かったので、日本大会では修正して挑みたいですね」と最大目標に向けて焦点がブレることはない。

稲田がBBJに初めて出場したのは2015年。以降10年にわたり、時には止まりながらも挑戦を続けてきた。

「ケガもあって3年ほど大会に出られない時期がありました。それでもトレーニングは続けていました。やはり大会があるとモチベーションが違いますね」

再び大会に戻ったのは2年前。コロナ禍が落ち着き、観客の声援が戻ってきた時期だった。「応援の声があるだけで全然違います。うれしいし、やっぱり楽しいです」と舞台に立つ喜びを噛みしめた。

自慢の部位は腹筋。長年“強み”と評価されてきたが、今はあえて弱点克服を優先しているという。

「最近は腹筋よりも、弱い部分を重点的に鍛えています。大会を重ねるほど課題が見えてくるので、それを一つずつ潰していく感じですね」

2年前の日本大会では予選落ちの悔しさを味わった。今年はそのリベンジの舞台となる。

「去年は日本大会を辞退したので、2年ぶりの挑戦です。今回の首都圏大会は勝ち負けよりも“試し”の意味が大きかったです。日本大会で同じ轍を踏まないように準備していきたいです」

10年の経験と積み重ねた努力を胸に、再び日本大会の舞台へ。稲田の挑戦は、50代からでも進化を続けられることを体現している。

インタビュー・写真/シュー・ハヤシ