挑戦を続ける姿は美しい。70歳を超えてなおステージに立つひとりの女性からは、ボディメイクの域を超越した輝きが放たれていた。
10月25日に開催されたBEST BODY JAPAN(ベストボディ・ジャパン)首都圏大会。ベストボディ・ジャパン部門プラチナクラス(60歳〜年齢無制限)において、72歳の市原みどりが3位入賞をはたした。
【フォト集】最高峰のベストボディが集結~2023日本大会モデルジャパン部門女子~
「過去一番の絞りはできたのですが、グランプリに届かなくて悔しかったです。でもまだ1か月あるので、日本大会では必ず立て直してグランプリを狙います」
そう語る市原がトレーニングを始めたのは、なんと69歳。70歳になった年にBBJへ初出場し、以降は猛者たちが集う日本大会でTOP10に食い込む活躍も見せている。
「60代の頃に2度の手術を受けて、人工関節ですし背中にはボルトが入っているんです。運動ができなくなって太ってしまって、そんな自分の体を鏡で見たとき、“この体は嫌だな”と思って一念発起しました」
かつては自転車競技に打ち込んでいたが、運動からは遠ざかる日々が続いていた。70歳を目前にして、ふたたび体を動かす決意を固めた。
「最初は本当に動けなかったんですが、トレーナーに出会ってから変わりました。その方がBBJを勧めてくれて、“70歳を迎える記念に出てみよう”と決めたのが最初の大会でした」
今回の3位という結果については「足りないところを分析して、トレーナーと相談しながら日本大会に向けて調整します。ベストの状態で臨みたいです」とさらなる向上を誓った。
「同年代の人たちは『どんどん友だちが減っていく』って言っているんですけど、私は大会を通じてむしろ友だちが増えているので、そういった人とのつながりもトレーニングのモチベーションになっています」
“年齢を超えた美”を証明するように、72歳の挑戦者は今日も前を向く。次なる目標は悲願の日本大会グランプリだ。
インタビュー・写真/シュー・ハヤシ

