健康的な肉体美を競うBEST BODY JAPAN(ベストボディジャパン/BBJ)。11月23日に開催された年間の集大成「日本大会」において、モデルジャパン部門ゴールドクラス(50~59歳)の寺田政弘が、待望の同部門総合グランプリを獲得した。
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昨シーズンもゴールドクラスでグランプリに輝いたものの、総合では届かず。今年はその悔しさを胸に、自身曰く「隙のない体」をつくり上げてステージに立った。
「今年はプロカードが出るタイミングでもあるので、絶対に総合グランプリを取ると決めていました。未来が過去を変えるじゃないですけど、今回総合グランプリを取ることで、去年の悔しさにも意味があったと思えるようにしたかったんです。だから本当に感慨深いです」
寺田はモデルジャパンの昨シーズン、今シーズンとゴールドクラスを連覇した他、東京大会は2021年からゴールドクラス5連覇と圧巻の実績を積み上げてきた。しかし実績ではなく、作品としての体で勝負したいと言う。
「毎年、細かい部分まで徹底してきましたけど、今年はひとつの隙もない体を課題にしていました。もし総合に届かなかったとき、自分に言い訳が残らないように。やれることは全部やりきったと思います」
勝負のステージに上がったとき、寺田には総合グランプリになる自信があったと言う。ただしそれは慢心ではない。
「評価というのは本当に読めないもの。だから迷う気持ちも少しはありました。でも最後は楽しく全力で向かうことだけを考えました」
半導体メーカーの営業職として働き、頻繁な海外出張をこなしながらの挑戦。日本大会当日も「明後日から中国」と語るほど多忙だ。
「海外出張が多いんです。でもその中でも絶対に時間を作る。年齢を理由にしたくなかったし、この年齢だから無理と言われるのが昔から納得できなかったので。50代でも総合グランプリを取れると証明したかったんです」
念願の総合グランプリに輝き、2026年からは、いよいよプロカテゴリーへ挑む。
「トップ・オブ・トップで勝負する。その覚悟でプロになります。今度は追われる立場になると思うので、さらに磨いていきます」
50代で初の総合グランプリ。寺田が示したのは、年齢ではなく、競技に取り組む姿勢が体をつくるという揺るぎない事実だ。モットーは「何事も、目指すのは一番上」。その言葉通りの生き様を、来シーズンはプロのステージで見せてくれるに違いない。
取材・文・写真/石川哲也

