「食事はいったん気にしなくていい」筋トレ初心者に贈る、ボディビル王者のリアルな助言




近年、フィットネスは特別なものではなくなり、筋トレやジム通いはより身近な存在になってきた。一方で、「何から始めればいいの?」「食事管理まで含めるとハードルが高い」と感じる人も少なくないだろう。日本男子ボディビル選手権を制した扇谷開登選手は、そうした初心者に対して意外なアドバイスを送った。

【写真・動画】ハードなトレーニングで培った扇谷の筋肉美

筋トレは豊かな人生にとってプラス

――コンビニジムの増加や女性のトレーニング人気など、フィットネスが身近になってきていると感じます。率直にどう見ていますか?

「すごくいいことだと思いますね。運動は『運を動かす』と書くように、健康でいるためには欠かせないことですし、体だけじゃなくて心も健康になると思います。体を動かせばいろいろなことが動きはじめて、フィットネスを通じた出会いとか、自分自身を取り巻く環境も変わってくるかなと思います。いきなりボディビル、フィジークを目指そうというとかなりハードルが高く感じてしまうと思うんですけど、ChocoZAPとか誰でも気軽に利用できるようなジムが生まれてきて、フィットネスに取り組む人の人口が増えてきているのはいいことだと思います」

――昔は、筋トレやジム通いのハードルはやはり高かったと感じますか?

「あくまで主観ですけど、昔は高かったんじゃないですかね。今はジムに行くのはもちろん、パーソナルトレーニングを受けるハードルも下がってきていて、だいぶ入りやすくなっているのかなと思います」

――日常生活に視点を広げて、筋トレの効用はどのように感じますか。

「筋トレや運動全般に取り組んでいる人は、エネルギッシュで向上心が高い印象です。トレーニングを続けると自己肯定感が上がり、体力もつきます。そうした積み重ねが、いろいろなことに挑戦する土台になるのかなと思います。あとはさっきの話と重なりますけど、トレーニングを通じて人とのつながりができるのが大きいと思いますね。ジム仲間やトレーナーとのつながり、競技者であれば選手同士の絆など、仕事以外でもコミュニティができることは人生を豊かにしてくれると思います。自分はこの競技をやっているおかげでいろいろな人と出会えていますし、それが今の人生に絶対的にプラスになっています」

――これから筋トレを始めたい初心者は、まず何から取り組めばいいでしょうか?

「その人が何を目指しているかによると思います。僕みたいに競技者を目指すならわかりやすいんですけど、ニーズはさまざまですよね。トレーニングを通じて健康になりたい、とりあえず体を動かしたいということであれば、僕はスタジオレッスンからジム通いを始めることをおすすめします」

――トレーニング種目からでなくてもいいんですね。

「まずは楽しむことが一番なのかなと。室内でインストラクターさんの動きや音楽に合わせてパンチやキックなどをするものから、バーベルなどを使い短時間で高強度の運動ができる『ボディパンプ』といったプログラムもあり、楽しく鍛えられると思います。参加者もたくさんいますし、そういったところでつながりができることもあると思うので、わからない中でひとり黙々とやるより有意義です。そこから筋トレに広げていって、友だちを誘って一緒にトレーニングするのもいいと思います。一緒にがんばる仲間がいると続けやすいです」

――やはり、食事も気をつけたほうがいいでしょうか。

「これはあくまで自分の経験ですが、初心者はまずは食事を気にせず、トレーニングに集中していいと思います。というのも、トレーニングをがんばっているとそのうち『これだけ鍛えているのに、食事をちゃんとしないのはもったいない』と感じる時期が来るので、そう思えてきた時に初めて食事を見直せばいいと思います。その頃にはトレーニングが習慣化していて、意識しなくてもできる状態になっていると思うので、そこで食事を変えればぐっと体が変わっていくと思います。最初から食事も運動も……と完璧にやろうとすると大抵の人は続けるのが難しいので、まずは楽しむこととトレーニングを習慣化することが第一だと思います」

――筋トレを始めたい人へのメッセージがあれば一言いただけますか。

「まずは、『なりたい自分を見つけること』だと思います。それが決まればモチベーションが上がって、自動的にトレーニングにも熱が入ります。目標を目指すためにはこういう方法があるなと見えてきて、それをできる限りやる中で『こっちのやり方のほうが自分に合っているな』と気づくこともあります。それを繰り返していると理想にどんどん近づいていくので、まずは理想を描くところから始めてみてください」