管理栄養士の山田賢児さんが、食にまつわる疑問を解決する本連載。今回は、もち米や赤飯にまつわる疑問について。

「もち米は太りやすい」「赤飯は何となく太る気がする」そんな印象を持っている方は、意外と多いのではないでしょうか。結論をお伝えすると、これはあながち間違いではありません。理由を説明していきます。
まず、もち米とうるち米の大きな違いは、デンプンの構造にあります。
うるち米(白米)は、アミロースとアミロペクチンという2種類のデンプンから構成されています。一方で、もち米は、ほぼアミロペクチンのみで構成されています。
アミロペクチンは消化吸収が早い特徴があり、食後の血糖値が上がりやすくなります。血糖値が急激に上がると、それを下げるためにインスリンというホルモンが分泌されます。インスリンは血糖値を下げる役割を持つ一方で、脂肪を蓄積しやすくする働きもあります。
要するに、血糖値が急に上がりやすい食事が続くと、体脂肪が増えやすい条件が揃ってしまうのです。もち米はうるち米よりも血糖値が上がりやすい性質を持っています。太りやすいという説があるのはこのためでしょう。
関連して、もち米を使った縁起物である赤飯についてです。赤飯が「太りやすい」と言われる理由は、もち米が原料という単純な話ではないと考えます。
ポイントは、赤飯は単体で食べられることが多い点です。コンビニの赤飯おにぎりを見ても、ゴマ塩が振ってあるだけ、という商品がほとんどです。
一方で、白米のおにぎりには海苔が巻かれ、具材が入っていることが多く、自然とタンパク質や脂質、食物繊維を一緒に摂る形になります。
糖質を単独で摂るよりも、タンパク質や脂質、食物繊維を一緒に摂ることで、食後の血糖値の上昇は緩やかになります。赤飯そのものが悪いのではなく、赤飯だけで食べるという行為が、血糖値を上げやすくしている可能性があるのです。
意識してほしいのは、食事は「食品」ではなく「組み合わせ」で考えるという視点です。もち米や赤飯を食べること自体を過度に避ける必要はありません。大切なのは、「何と一緒に食べるか」を意識することだと思います。
【参照資料】
厚生労働省『日本人の食事摂取基準(2025年版)』
文部科学省『日本食品標準成分表(八訂・増補2023年)』
