日本人は「押す力」が「引く力」より強い? 男性は「押す力」が強く、女性は「引く力」が強い?【筋肉博士の最終講義】




学術的なデータはありませんが、日本人は「押す力」が強いというのは、パワーリフティングの世界では通説になっています。

たとえば、ベンチプレスの世界記録は日本人が数多く持っていますし、350㎏という世界最高記録を出したのも日本人です。外国人と比べても、日本人は「押す力」がひじょうに強いのです。

書籍『石井直方 最終講義 筋肉まるわかり大事典』よりⓒベースボール・マガジン社/ニューロック木綿子

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そのかわり、「引く力」は弱い傾向があります。というのも、日本人は欧米人より背中の筋量があきらかに少ない。一生懸命にトレーニングを積んでも、欧米人のような盛り上がった背中はなかなかつくれません。人種の違いもあるので、この差を埋めるのは難しい。ボート競技などで海外に勝てないのも、リーチの問題だけではなく、「引く力」の差が関連しているのではないでしょうか。

男性は「押す力」が強く、女性は「引く力」が強いというのも本当です。これは我々も実験で測定してみました。たとえばヒジの屈筋の特徴を男女で調べてみると、エキセントリックな筋力――腕を引っ張られた時に引っ張られまいとがんばる力は、女性のほうが高かったのです。引きに対しては女性のほうが粘り強く、男性のほうがあっさりしているということになりますね。

一方、「押す力」は体型的に男性のほうが強い。大胸筋や三角筋、上腕三頭筋の発達は男女差がひじょうに大きいので、ベンチプレスのような種目では男女差が顕著に現われます。腕立て伏せができないという女性も多いですよね。

ベンチプレスに比べれば、デッドリフトやロウプーリーのような引き系の種目の方が男女差は少なくなります。

※当記事は、書籍『石井直方 最終講義 筋肉まるわかり大事典』(ベースボール・マガジン社/2025年12月発売)からピックアップした内容をWeb用に再構成したものです。