「人間80歳までは鍛え続けられる」古希レスラー・藤波辰爾が描く夢と目標




72歳で闘い続ける藤波辰爾。ファンを驚愕させているのは毎年、自身が主宰する「ドラディション」のリングで若いトップレスラーたちとシングルマッチで闘っていること。昨年は元IWGP世界ヘビー級チャンピオンのザック・セイバーJr、一昨年はジュニアヘビー級のトップである高橋ヒロムと激突し、手に汗握る名勝負を展開してみせた。

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「タッグマッチや6人タッグでもいいじゃないか、と言われるんですけど、タッグマッチだとなにかあったらタッチしてコーナーに戻れば、そこで休むこともできる。いわば『逃げ道』がある状態でしょ? もちろん、それもプロレスのルールだからいいんですけど、僕としてはね、年に1回ぐらい、まったく逃げ場のない試合を組んで、自分を追いこんだほうがいいんじゃないか、と」

1日3時間のジムワークを週に5日間こなしている藤波辰爾だが、試合が近づくと、それとは別にパーソナルトレーニングに通って、徹底的に肉体をイジメ抜く、という。その内容は本の中でも紹介されているが「これは一般の方向けではありません」の注釈つき。とはいえ、72歳でこれだけのハードトレーニングを自ら課しているというのは、やはり驚異的である。

いまでは試合がある日にはカレンダーに赤く丸印をつけ、そこに合わせてコンディションを整えている、という。

「若いときには年間200試合近くあったし、僕の場合、日本がオフの時期にも海外で試合をしていた。そのときは全国を周って、闘いながらコンディションを整えていくスタイルだったけど、さすがにそれはもうできないからね。自分の団体だけでなく、いろんなところから呼ばれて試合をするけれど、ある程度、試合数があったほうがいいね。年末年始はちょっと試合の間隔が空いたので、不安になった。トレーニングをしているからコンディションについては把握しているけれど、咄嗟のときに反応できるのか、という不安は残るのでコンスタントにリングに立てるといいね」

72歳の現役プロレスラーというだけで快挙すぎるが、ある意味、前人未踏ともいえるこの先のプロレスラー人生、なにを目指していくのか?

「夢はたくさんありますよ。まだ公にはできないものもあるけど、トレーニングで体を動かしていると『あぁ、あれもありたい、これもやってみたい』とどんどん夢が膨らんでいくんですよ。これ、大事なことだよね。一般の方もただなんとなく健康のために運動をするんじゃなくて、明確な夢や目標を掲げてやったほうが絶対にいいし、長続きしますよ。

このあいだ、知り合いと話をしているときに『僕の将来の夢は……』と言ったら『藤波さん、72歳になって将来の夢を語る人なんてなかなかいませんよ』と笑われたんだけど、現役としてリングに上がっていれば、当然、夢はありますよ! もちろん先々のことはわからないけれど、キリのいい75歳までは闘っていたいな、とは思うし、それを乗り越えたら、次は喜寿(77歳)かな? 人間80歳までは鍛えられる、というのが持論なので、まだまだ現役でがんばりますよ!」