ライターが実食リポート 元プロレスラー“ミスターデンジャー”が手掛ける至高の肉料理




人間、歳をとってくると肉をよりも魚を食べたくなる、とよく言われる。幼いころから肉至上主義で生きてきた筆者は「俺には関係のない話。生涯、肉を喰らう!」と思って生きてきた。

ところが40も半ばを超えてくると、だんだん魚を食べる日が増えてきた。旨い魚を食べるためだけに金沢や新潟へ旅行するようになった自分にはさすがに驚いたが、いつも食べていた二郎系のマシマシを完食できなかったときには、とてつもない敗北感を覚えたし、50を超えて徹夜で原稿を書く体力がなくなってきて「あぁ、俺はもうダメなのかなぁ〜』と絶望に近い感情を抱えるようになった。

そんなとき、ぼくに生きる希望をくれたのが『ミスターデンジャー』のステーキだった。元プロレスラーの松永光弘氏が営むステーキハウスは来年でオープンから30周年を迎える長寿店。いまだに開店時間には行列ができるほどの人気を誇っている。

【写真】厨房で闘い続ける元レスラー・松永光弘のアザーフォト

1990年代、過激なデスマッチで一世を風靡した元プロレスラーの松永光弘さん。現在はステーキハウス『ミスターデンジャー』のオーナーとして、連日、厨房に立っている

定番メニューのデンジャーステーキは松永氏が、元プロレスラーならでの怪力を活かして、丁寧に下処理をほどこしているので、信じられないぐらい柔らかい。だから「こんなにたくさん食べられないよ」と思える量でもペロリといけてしまう。ライスとスープがついた1ポンド(450グラム)のセットが絶対にオススメ。マシマシを完食できなくなって、すっかり自信を喪失した直後に、このセットを一瞬で平らげて「俺、まだまだイケるじゃないか!」とやる気が満ちてきたことをハッキリと覚えている。オーバーではなく、人としての尊厳を蘇らせてくれたステーキだ!

卓上には味変用のソースが何種類も用意されているので、途中で飽きる心配もない。というか、いままで飽きたことがないので、1回の食事で2種類しか使ったことがない。それぐらいアッというまにお肉がなくなっていく柔らかさなのだ。昨今の狂乱物価の影響で値上げしたものの、それでもこの大ボリュームで税込3800円は破格の安さである(実際、他店では5000円近くする)。

名物のデンジャーステーキ。1ポンドのド迫力に圧倒されるが、驚くほど柔らかいのでペロリといけちゃいます

もうひとつオススメしたいのがハンバーグだ。昨今のトレンドである「ふっくら焼いて、ナイフを入れると肉汁ジュワ〜」系ではなく、ゴリッとした肉塊系のヘヴィーな一品。デンジャーステーキ250グラムとハンバーグ150グラムのセットが3500円とお値打ちだが、できれば、それぞれ単品でオーダーしていただきたい。ハンバーグはジャイアントサイズ(300グラム)で頼むと「これはいったいなんという肉料理なのか?」と頭の中がバグるほど、とてつもなく巨大な肉塊が到着する。柔らかいステーキとガツンとくるハンバーグを交互で食べるのは、もはや快楽だ。

ハンバーグの概念を覆すダイナミックさ! 粗挽き肉で食べごたえ抜群。肉塊を喰らえ!

歳をとって、たしかに肉よりも魚のほうが好きになってきたが、やっぱり人間、肉を喰らうと活力が沸いてくるし、パワーが漲ってくるということを再確認させてくれる。『ミスターデンジャー』。心身共にパワーチャージしたときに、ぜひ。

ステーキハウス ミスターデンジャー
東京都墨田区立花3-2-12 田中ビル1階
最寄り駅 東武亀戸線 東あずま駅