YouTubeに投稿しているボディビル解説動画が話題の筋肉マニアが、毎週一人のボディビルダーをピックアップして紹介していく連載「解体筋書」。今回は、2025年ジュラシックカップオープンクラス4位の伊禮駿(いれい・しゅん)選手です。
SNSでも大人気のコワモテビルダー
伊禮選手は、JBBFの沖縄県連盟主催大会を中心に数々の実績を持つボディビルダーです。2020年沖縄フィジークオーバーオール優勝に始まり、翌年には沖縄ボディビルの無差別級でも優勝。地方大会の中でも高いレベルを誇る沖縄で、これほど成績を残していることは紛れもない実力者である証拠でしょう。
昨年には、ジュラシックカップオープンクラスに初出場し、圧巻の肉体美とキャラクター性を披露しました。彼は、社会人として働く傍らSNSでも精力的に活動しており、Instagramのフォロワーは3.2万人と、団体トップ選手にも匹敵する影響力を持っています。西崎空良選手やケンソン・パトリック選手といった有名選手もいる中で、伊禮選手への応援は配信のチャット欄でも盛り上がりを見せており、オープンクラスを白熱させた立役者の一人といえます。
そんな彼の特徴は、弱点部位の存在しない肉体と強烈なバックポーズです。大胸筋、三角筋、上腕など、どこを見ても十分なサイズと質感を獲得しており、体の癖が少ない選手であることがわかります。下半身においても、長い大腿四頭筋の筋腹、しっかり埋まった内転筋が目を引き、上体と同様のバランスを形成しています。中でも、背中の凹凸感とバキバキのハムケツが織りなすバックダブルバイは、一際主張が強く、彼の中でもアピールポイントになっているように思います。
素晴らしい肉体を持つ伊禮選手ですが、昨年の大会で4位だったのはなぜなのか。それは、決定打にやや欠けてしまったからだと思います。優勝した西崎選手のプロポーション・厚み、準優勝のパトリック選手の迫力、3位の櫻原選手の仕上がりと上半身の美しい丸み。個性派の選手が多い中で、伊禮選手の肉体は奇しくもバランスは良いが、思わず見入るようなプロポーションやインパクトがなく、上位陣の勢いに少し押されてしまったのではないかと思います。
一方で、弱点のない体はボディビルダーとして大きな強みであり、何かをきっかけに今後彼の評価が変わる可能性もあり得ます。ジュラシックカップで実力を示したからこそ、JBBF主催大会での活躍を期待したいです。
次回は、長野が生んだ大地のような肉体を持つボディビルダーについてお話しします。お楽しみに!


