アイドルを卒業して、いちプロレスラーとしてリングに専念することを決めた2025年の荒井優希。生活の拠点も東京に移し、もう道場に通うためにわざわざ新幹線に飛び乗るような離れ業も必要なくなった。

今まで移動にかかっていた時間を、そのままトレーニングに費やした。道場ではリングを使っての練習が主となるが、それ以外の時間はジムに通うようになり、よりパワーアップできるように励んだ。
実際、昨年の夏あたりから体つきが変わりはじめてきた。いわゆる「プロレスラーらしい」体形。もともと背は高いほうなので、ひとまわり体が大きくなるだけで、リング上でのたたずまいがかなり変わってくる。オーバーではなく、なにもしないでリングの上に立っているだけで、もうプロレスラーとしてのオーラが漂うようになったし、相手選手の技を受けても、まったく弱弱しさを感じさせない力強さも。やられる姿が映える、というのはプロレスラーとして勲章である。
パワーがついたことで、得意技のフルネルソンバスター(相手を羽交い絞めにし、高々と持ちあげてからマットに叩きつける技)の威力もアップ。デビュー時から使っているサソリ固めもしっかりと体重をかけることができるようになったからか、今年に入って、トップどころの選手から続々とギブアップを奪っている。たっぷりと1年間かけて、荒井優希は専業プロレスラーとして、大きなステップを踏み出してみせた。
3月29日には両国国技館大会のメインイベントで団体最高峰のプリンセス・オブ・プリンセス選手権に挑戦することが決定。チャンピオンはアップアップガールズ(プロレス)の一員として、アイドル活動も続けている二刀流ファイターの渡辺未詩。アイドルとプロレスを極めてきた者同士の頂上決戦となる。

「絶対に勝ってチャンピオンになりたい。もっともっとたくさんの人に東京女子プロレスを知ってもらいたいし、広めていきたいんですけど、そのためにもチャンピオンベルトが必要だなって思うんです。いろいろ説明しなくても、チャンピオンベルトを巻いている人=強いって誰にでも伝わるじゃないですか? そのわかりやすさを手に入れるためにもチャンピオンベルトがほしい」
渡辺未詩は強敵であり、2月から展開されてきた前哨戦でも黒星が先行している。この劣勢をどうひっくり返してみせるのか? この春、大注目の一戦である。
