「宮畑会長には一度も褒められたことがない」背面の徹底強化でトップに立った男が次に目指すのは日本のトップ12




8/6(日)、大分・別府国際コンベンションセンターにて、「第34回ジャパンオープン選手権大会」が開催され、男子ボディビル部門で白井大樹が初優勝を飾った。日本ボディビル・フィットネス連盟(JBBF)主催の大会では、日本選手権、日本クラス別選手権に次ぐ大会であり、ここでの優勝者の多くは後に大躍進を遂げる、まさにトップへの登竜門とも言える大会だ。

【フォト】圧倒的存在感で頂点を奪った白井のド迫力ボディ

2021年8月の東京ボディビル選手権で優勝し、第55代ミスター東京の座を獲得した白井。以降、昨年のジャパンオープンでは5位とビッグタイトルからは遠ざかっていたが、一歩ずつ確実に自信を磨き上げ、虎視眈々と上位を狙ってきた。

「昨年は5位でしたが、もう少しで表彰台を狙えるなと感じながら大会を終えました。自分でも薄々課題だと感じていた背中、ハムストリングス、お尻の筋量を上げて改善していけば、もっと良い位置を狙えるなという感触はあったので、今年はそこを徹底強化して、今日を迎えることができました。ミスター東京をとったときは“ホッとした”と話しましたが、今日はそれが実り、素直にうれしいと感じてします」

近年は、横川尚隆や相澤隼人、あるいは昨年の同大会で上位を争った吉岡賢輝や杉中一輝など、若い世代が一気に上位まで駆け上がっていくことも多いが、一つずつ課題をクリアにし、ゆっくりと階段を昇るようにステップアップしていくのが白井のスタイルなのだろう。バルクアップだけでなく、絞りの面でも新たな成果を得ることができたと話す。

「減量方法はちょっとお試しのような感じで探り探りやっていたので、正直なところを言えば、絞りに関してはもう一か月くらい欲しかったなというところです。単純に体重を落とすというというよりも、例えば皮膚の水分量など、もっと別のところでコンディション良く仕上げられたのではないかと思っています。もちろん改善点を上げればきりがないのですが」

次なる目標は、いよいよ日本のボディビルの頂点を争う日本選手権、トップ12人のファイナリスト入りが目標だ。トレーニングセンターサンプレイ所属の白井にとっては、今年5月に逝去した元会長・宮畑豊氏への思いを背負いながら、高みを目指していくことになる。

「とにかくボディビルに関しては厳しい方でした。東京都の大会では、ジュニア、ノービス、クラス別、そしてミスター東京、さらに関東や東日本の大会でもタイトルを獲ってきましたが、実は一度も褒められたことがありませんでした。もう直に言葉をいただくことはできないのですが、そこは自分の妄想というか、天の声として『白井、よくやった』と宮畑会長に言ってもらえる成績を残せるようにがんばっていきたいと思います」

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