佐久間編集長のパーソナルトレーナー百人斬られ(仮)Vol.27 伊田暁人 後編




VITUP!編集長・佐久間が全国のパーソナルトレーナーさんを巡っていく「パーソナルトレーナー百人斬られ(仮)」。今回は伊田暁人トレーナーの後編です。大学院で研究していることの一つである「血流制限」を用いたトレーニングを行ないました。

伊田暁人トレーナーは、現在、東京大学大学院にて筋肉の研究に取り組んでいます。その研究のうちの一つが血流制限です。

 

「血流制限自体を調べたいというよりは、血流制限のような外的な変化を起こしたときに筋肉がどういうふうに変化するかというところに興味があって、一つの手段として血流制限を使って研究しています」

 

今回のトレーニングで実践するのは、この血流制限トレーニング。SMART Cuffsというアメリカのデバイスを用いて、まずはどれくらいの圧力で、動脈が止まるかをチェックします。

「動脈を止めるのが血流制限トレーニングではなくて、動脈はある程度流したまま、静脈の還流を止めるのが血流制限トレーニングです。つまり、動脈が止まる圧力がわかったら、それに対して何パーセントくらい圧力をかけるかを設定していきます。上半身の場合、最初は40パーセントくらいがいいでしょう」(伊田さん)

私の場合、191mmhgが動脈が止まる圧力。これに対して40パーセントの76mmhgに圧を設定します。

 

血流制限トレーニングのメリットは短時間で効果を得られること。また、低負荷でも十分な効果を得ることができます。回数の目安も決まっていて、1セット目は30回、以下、15回→15回→15回の合計75回を目指します。最後はオールアウトで、15回いくまでに上がらなくなった場合はそれでもOKです。

扱う重量は軽いので、テンポよくカールを繰り返していきます。二頭筋のテンションが抜けないように注意します。

2セット目は難なくこなせたものの、3セット目から急に腕がパンパンになってきつくなり、最後は必死に15回をやりきりました。

 

「高強度の運動と、低強度の運動で追い込んだときを比べると、低強度で追い込んだほうが、疲労により出力が落ちるという研究結果があります。3セット目からきつくなったというのは、疲労の蓄積が原因です」(伊田さん)

 

続いて下半身のトレーニングです。大腿四頭筋を鍛える、レッグエクステンションを行ないます。下半身のほうが太い分、血流制限の圧を強く感じます。「大腿四頭筋は加齢によって一番早く衰えが出やすいので、そこを鍛えることは健康寿命にとって大事です」と伊田さんの言葉を受けて、トレーニングを開始。

こちらも回数の目安は75回。30回→15回→15回→15回と4セット続けます。上半身以上に筋肉の疲労蓄積が早く、2セット目からかなりきつい状態となりました。この必死の形相を見てください。

「軽い重量でトレーニングをするというと、楽なことをしていると思われがちですが、そうではないんです。短時間、低負荷で楽なのではなく、その分、きついんです」(伊田さん)

4セットやり切った後の充実感溢れる様子。伊田さんのモットーである「楽しくトレーニングする」の言葉通り、きつさはあっても、やりきる楽しさを感じられるトレーニングでした。

 

 

というわけで、今回はここまで。伊田さん、どうもありがとうございました。

【トレーナーPROFILE】
伊田暁人(いだ・あきと)
学生時代からラグビー選手として活躍し、2017~2019年には実業団の横河武蔵野アトラスターズに所属。2020年より東京大学大学院にて、運動生理学を研究。現在は博士過程で筋生理について研究を行ないながら、Bulky Labを主宰。ヘルスケアアプリ『OWN,』監修。Testosterone氏との共著『史上最強のダイエット』著。
〔保有資格〕
NSCA-CSCS(ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)/NASM-CES, PES(コレクティブエクササイズ、パーフォーマンスエンハンスメントスペシャリスト)/SMART TOOLS血流制限アドバイザー

 

【パーソナル情報】
Bulky LAB
〔住所〕渋谷区元代々木21-9 シルエット元代々木101
★入会金=1万5000円
〔プラン〕
★スターターパッケージ=トレーニング60分
★コンプリートパッケージ=トレーニング60分+食事指導
〔料金〕
★スターターパッケージ1カ月(税込)
ライト(週1)49,800円/レギュラー(週2)79,800円
★コンプリートパッケージ(税込)
2カ月(16回分)260,000円/3カ月(24回分)370,500円/4カ月(32回分)468,000円
詳細はホームページをご確認ください

 

佐久間一彦(さくま・かずひこ)
1975年8月27日、神奈川県出身。学生時代はレスリング選手として活躍し、高校日本代表選出、全日本大学選手権準優勝などの実績を残す。青山学院大学卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。2007年~2010年まで「週刊プロレス」の編集長を務める。2010年にライトハウスに入社。スポーツジャーナリストとして数多くのプロスポーツ選手、オリンピアン、パラリンピアンの取材を手がける。