女子がハマる「美ボディ大会」。女王がその魅力を語る【ダンシーあずさ(前編)】




競技は人生のほんの一部

KURUMI でもそこで、やめなくてよかったと思えたわけですよね。

ダンシー はい。やめなくて本当によかったと思います。2021年のGRAND CHAMPIONSHIPSが終わったときにすごくつらかったので、楽しめてないと私はこの競技を続けられないと思ったんです。だからそこから「勝つことに執着するのをやめる」という方向にシフトできたのがよかったですね。2022年は自分が勝つためにやるのではなくて、自分の人生を豊かにするための本当に一部として、ビキニフィットネスをやっていこうと思ったんですよ。だから家族との時間、犬との時間、それこそバイクの免許を取って趣味もやろうというように考えました。

愛車と1枚の写真に収まるダンシーさん

KURUMI ダンシーさんのInstagramで話題になっているバイク姿には、そういった背景があったのですね。

ダンシー じつはそういった思いもありました。「人生の選択肢の中の一つ」という考え方をベースにして、その中でやるとビキニフィットネスの研究もすごく楽しむことができたんです。トレーニングも自分が好きでやっているはずなのに、勝つことに固執しすぎると良くないですよね。それで考え方を変えたら、去年はすごく気持ちが楽になりました。大会でも生き生きとしたステージングを見せられるようになりましたし、そこで後から結果がついてくると達成感もあります。気持ちのつくり方の部分で、私はちょっと間違っていたかなと思いましたね。もちろん勝負にこだわったほうがいいという人もいると思いますけど、私は人生の一部としてやっていくのが合っていました。

KURUMI すごく心境の変化があったんですね。Instagramで見かけた、お母様と一緒に海に行った写真が素敵でした。すごくバランスがいいと言ったらおこがましいかもしれないですけど、人生の中でいろいろなことを楽しまれていますよね。

海辺で母とツーショット

ダンシー ありがとうございます。私はたしかに競技者なんですけど、それだけではないということを心がけています。競技だけではなく、人生の楽しさのようなものをSNSで出していけたらいいなと思っていますね。選手って割と、自分が一生懸命やっている姿を出したいと思うんですよ。ただそれを前面に出してしまうとコンテストや競技について“厳しいだけ”という誤解を招くこともあると思うので、なるべく自然体でいることを心がけています。

写真提供/ダンシーあずさ
文・撮影/森本雄大

【フォト集】ダンシーさんが4連覇を達成。オールジャパンフィットネスチャンピオンシップス

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ダンシーあずさ
1990年5月11日生まれ。大学卒業後、2015年にスペインへの留学を機にトレーニングを始め、2017年からはビキニフィットネスに挑戦する。選手としてトップ戦線を走りつつ、現在はパーソナルトレーナー、ポージングコーチとしても活動中。
【主な戦績】
<2018~2022年>
オールジャパンフィットネスチャンピオンシップス ビキニフィットネス163cm以下級 優勝
<2019・2021・2022年>
JBBF FITNESS JAPAN GRAND CHAMPIONSHIPS ビキニフィットネス 2位
<2022年>
IFBB世界フィットネス選手権 ビキニ 160 cm以下級 3位


KURUMI(くるみ)
2013年〜2018年には9人組アイドルユニットのリーダーを務め、現在はフィットネスモデルとして活動している。2017年夏からトレーニングを開始し、約半年後にはSUMMER STYLE AWARDでクラス優勝を達成。以降も多くの大会で実績を残し、2022年はマッスルゲート北陸⼤会で優勝、ゴールドジムジャパンカップではドリームモデル158cm以下級で初代女王に輝くなど活躍を見せた。