チームの強化はもちろん、指導者間の交流こそ大会の魅力
日体リーダーズカップ。その名が示す通り、日本体育大学出身の指導者が指揮を執る高校が集い、チャンピオンを目指す大会だ。年々少しずつ規模を広げてきたこの大会は今年で11回目を迎え、全国各地から13校32チームが茨城県ひたちなか市「新光町グラウンド」に集まり、3/27(火)からの3日間にわたって熱い戦いを繰り広げた。
本大会の発起人の一人である日体大荏原高校(東京)の新妻慎一郎監督は大会の目的について、こう語っている。
「全国各地に日体大卒の指導者がいて、年代も近い方がたくさんいます。その繋がりを活かさない手はないと思い、この大会をはじめました。みんなで力を合わせてそれぞれのチームを育て、生徒たちはもちろん、指導者同士も切磋琢磨する大会にしたいですね。いずれは、全国高校サッカー選手権やインターハイなどで活躍するチームが出てきてほしいと思います」
大会期間中はグラウンドでの交流はもちろん、グラウンドを離れたところでの指導者の交流会も大切な場所。いわゆる「飲みニケーション」であるのだが、同窓という共通項があるゆえ、なかなか他校の指導者には話せないような悩みをざっくばらんに打ち明け、成功体験を共有することでチーム作りの糧にしていると話す指導者も多い。実際、ピッチ内外での指導者間の密なコミュニケーションが、グラウンドのあちこちで行われていた。
今年は13校が参加したが、そのなかには2016年にインターハイ出場を果たした聖望学園高校(埼玉)や、2017年に同じくインターハイ出場を果たした東北学院高校(宮城)といった実力校も大会の常連として参加しており、さらにこの大会から全国大会出場を果たすチームも出てくる可能性も十分にありそうだ。
また、過去の11大会において連覇を果たした学校はおらず、自然と実力伯仲のゲームが展開されているのも注目の一つ。今年も、初日、2日目と経験のある聖望学園高校や専修大学附属高校(東京)などが頭一つ抜ける活躍を見せていたが、最終的には際どいゲームを制してきた国際学院高校(埼玉)がチャンピオンの座についている。3日間もあれば、選手の意識やプレーは確実に変化する、それを証明したのであった。
現状では、決して全国的な日の目を浴びている大会ではない。しかしこの先、この日体リーダーズカップはどのように発展し、どのように日本サッカー界の発展に寄与していくのか。選手の成長、指導者の成長、そして大会の成長。あらゆる面での発展を楽しみにしたいと思う。
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文・撮影/木村雄大