W杯で日本と対戦するセネガルに行ってみた~①トレーニング事情編~




ついに開幕したサッカーW杯2018年ロシア大会。グループステージで日本が対戦する3ヶ国の中で、最も情報が少ない国は、恐らくセネガルだろう。セネガル代表の大半は、ヨーロッパでプレーしている選手たち。主力選手のことは、熱心なサッカーファンなら知っている。だが、セネガルという国の文化や、草の根レベルのサッカー事情については、なかなか触れる機会がないのが現状だろう。ということで、行ってみた。西アフリカの地、セネガルに。

海岸沿いに広がる「筋トレ公園」!

アフリカのサッカー言えば、最大の特色とされるのが、選手たちの身体能力の高さ。サバンナや密林での生活の中で自然と鍛えられ、俄かには信じ難い動きをする選手たち。そんなイメージがあるものと思われる。

だが、それは極端なステレオタイプだ。確かに、意表を突いた想像を絶するプレーをする選手もいれば、日本人の想像通りの僻地もあり、貧しい幼少時代を過ごした選手がいるのも事実である。しかし、セネガルの首都ダカールは、結構発達した都市である。

高層ビルに眩い灯、3車線も珍しくない舗装された道。欧州の片田舎よりも、よっぽど都会だ。そもそも、セネガル代表には、フランス生まれやフランス育ちの選手も多い。

では、セネガルの強さの秘密は何なのか?サッカーの専門的な分析は他媒体に任せるが、VITUP!が注目するのは、スポーツに対するセネガル人の情熱の高さだ。それを物語るのが、この光景。

海岸沿いに広がる、この「筋トレ公園」だ。滅茶滅茶盛況!

基本的には、自重を利用するマシンが多い。

これは背中を鍛えるラットプルダウン。

こちらは脚を鍛えるレッグプレス。

腹筋を鍛える台や、ディップスで上腕三頭筋を鍛える器具もあれば、鉄棒などもあり、結構種類は豊富。安全目的なのか盗難防止目的なのかは不明ながら、外れない(外せない?)レールがついているのでフリーウエイトとは呼べないが、バーベルもある。

こちらはスクワット用のマシン。

高さの関係でベンチプレスを行うのは難しいが、これを横から持ち上げる人もちらほら。

この筋トレ公園が位置する海岸線、夕方になると、かなりの数の人がジョギングをしていたりもする。隣接する場所にはサッカーのミニコートがあり、少し先の砂浜でサッカーを行う人もいる。また、市内のあちこちに、フィットネスジムの看板が掲げられているが、他のブラックアフリカ諸国では、あまり目にしない光景である。

ブラックアフリカ諸国の中では屈指の先進国セネガルだが、GDPなどの数値が日本ほど高いわけでもない。それでも、国民、少なくともダカール市民のスポーツ熱、フィットネス意識がどれだけ高いか、筋トレ公園から伝わってくる。誇張であることは充分に承知のことだが、この際だ。フィットネスに対する情熱がセネガルのサッカーの強さの秘密の一つなのだと、強引に理解してしまおう!  このW杯、注目は何よりも日本vsセネガル戦なのだ!

なお、この筋トレ公園は、日本vsセネガル戦がおこなわれる6月24日、日本テレビの試合直前特番でも取り上げられる予定である。

次回は、セネガルの草サッカー事情について報告したい。

取材&文&撮影・木村卓二