2/11(日)、宮城野親方(第69代横綱白鵬)が応援サポーターを務め、女子相撲の発展と普及への願いが込められた大会『第1回ドリームガールズ杯女子相撲大会』が東京・すみだフットサルアリーナにて開催された。
小学1年生から高校3年生までの女子を対象としており、全国各地から女子力士たちが集い熱戦を繰り広げた。各自が三者三様の思いを胸に土俵に上がる中、ひときわ強い思いを持つ選手がいた。中学生重量級の部で準優勝を収めた藤嶋由菜さん(中3)だ。
彼女は令和6年能登半島地震の被災地である石川県志賀町から大会に参加しており、開会式では選手宣誓も担当。宮城野親方や大会関係者、保護者たちに感謝を表明しつつ、被災の状況について語った。
祖母の家の基礎や屋根が壊れ居住困難になったり、自身も断水生活を経験するなど当たり前の日常が一転してしまったと話す藤嶋さん。相撲の稽古も十分にできない生活が続いたという。そのような中でも、自らの相撲で志賀町に貢献したいという思いが彼女の力になった。
そんな藤嶋さんは選手宣誓で「志賀町では小学校や中学校で相撲大会が行なわれるなど、相撲は身近なスポーツとして親しまれています。私は被災後も地域の方々のサポートのおかげでこうして相撲を続けることができました。今回の大会に出場することができなくなった仲間もいます。私はここで相撲ができることに感謝し、少しでも能登の方々に勇気と笑顔を届けられる取り組みをしたいです。石川県を元気に」と力強く宣言した。
大会では相手と真っ向からぶつかり合う取り組みを見せ、中学生中量級で準優勝を獲得。強さの秘訣は稽古での四股にあるとのことで「土俵際でヒザをしっかり曲げないと推し負けてしまうので、四股の時からヒザをしっかりと曲げることを意識しています。腰を落としてヒザを曲げ、土俵際で押し切る相撲を大切にしています」と強靭なフィジカルの源を語ってくれた。
大会後は宮城野親方から「志賀町に帰って、みんなにメダルとトロフィーを見せてあげて」と声をかけてもらったとのこと。親方と一枚の写真に収まった藤嶋さんは、笑顔を見せつつ今後の目標を見据えて力を込めた。
「とてもうれしいし、町の人たちに元気を届けられたかなと思います。また志賀に戻って相撲を続けて、能登に元気を取り戻せるような相撲をできるようにしたいです」