「すごい新人が現われた」競技歴3年でフィジーク日本一 最強主婦・荻島順子がデビュー戦を振り返る




日本の未来を担うかもしれない美筋女子たちの素顔に迫る『美筋女子TIME』。今回は2023年の『第41回日本女子フィジーク選手権大会』で頂点に立った、荻島順子さん出演回を振り返ります。

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53歳から女子フィジークに挑戦し、昨年は競技歴3年にして師匠である絶対女王・澤田めぐみさんを破り日本の頂点に立った荻島さん。学生時代は陸上に取り組んでおり、もともと筋肉質であったがゆえに「筋肉ついちゃうから」とトレーニングとはあえて距離を置いていました。

就職後、結婚・出産を経て『普通の主婦』となった荻島さんですが、通っていたジムのトレーナーの勧めで女子フィジークの世界に興味を持ちます。そこで師事したのが、当時から同競技で活躍し、『日本女子フィジーク選手権大会』において2022年まで通算4度の優勝を誇った澤田さんだったのです。

そうして師匠から筋トレ・競技のイロハを学んでいく中で、デビューの瞬間は唐突でした。荻島さんが「『こんな大会があるんだ』と思って、本番2週間前にぽちっと」と振り返るように、意外にも大胆な形でデビュー戦となる『マッスルゲート品川(新人戦)』(2021年2月開催)にエントリー。ポージングなど、ステージに必要な要素は何一つわからない中での挑戦でした。

荻島さんと澤田さん

そんな荻島さんに対して師匠は当然おかんむり。「フィジークはそんなに甘くないのよ」とお叱りを受けつつ、目標ができたことにより荻島さんの競技習得にもブーストがかかりました。

必死でフリーポーズなどをつくり上げ、迎えた本番。ウーマンズフィジークのエントリーが荻島さんひとりだったことで優勝は確定していましたが、逆にステージ上で真似できる人がいなかったので緊張したと言います。紆余曲折ありのデビュー戦を完遂した彼女には、「すごい新人が現われた」という声が届くほど反響が寄せられました。

デビュー戦での荻島さん

どんなに練習を積み上げても、結局のところ大会本番が一番の経験になることもあります。突貫スケジュールでデビュー戦をやり抜いた荻島さんに師匠・澤田さんも賛辞を送り「次は5月の東京ノービスに向けてがんばってみましょう」とJBBF(日本ボディビル・フィットネス連盟)でのデビューを勧めてくれたのでした。

日本のトップに立った彼女であっても、3年前は何もわからないルーキーでした。『千里の道は一歩から』と言いますが、その一歩を力強く踏み出せるかどうかが、その後の勢いも決めていくのかもしれません。

【荻島さんが出演したトーク動画はこちら】

文/森本雄大
写真/木村雄大