初心者のトレーニングへの疑問を解決する本企画。今回は、コロナ禍をきっかけに注目を浴びたオンラインでのトレーニング指導について。現在は制限緩和でジム通いが可能になりましたが、今後も遠隔指導は人気を博していくでしょうか。
オンラインのメリットもあるが、やはり対面指導がおすすめ
新型コロナの流行は、オンライントレーニングという新しいビジネススタイルを生み、それはまたたく間に普及しました。
たしかに自宅にいながらにしてトレーニング指導が受けられるのは大きなメリットと言えます。本や動画を参考に自主トレをするよりも効果が上がることも期待できます。また、高齢者や移動が難しい病を抱えている人などにとってはトレーニングと向き合う貴重なチャンスだと思います。
ただ、成果や充実度において、対面形式でのトレーニングと比べると、どうしても劣ってしまうことは否めません。私もコロナ禍にオンライン指導をしたことはありましたが、クライアントの実際の動きや体の変化を間近で見ることができず、体を触ることもできない状況での指導は非常に難しいと感じました。
また、トレーニング機材が限定されてしまうのもデメリットです。種目が制限される上、負荷を増やしていくことも困難だからです。
私もニーズがあれば今後もオンライン対応も視野に入れていますが、可能な限り対面での指導を大切にしたいと考えています。クライアントのみなさんも効果が出やすい対面形式を選んでくださっているのが現状です。
何らかの理由があって自宅から出られない、通える距離にジムがないといった場合はやむを得ないかもしれません。ただ、そうでないのであれば、対面形式を選ぶことをおすすめします。仮に近くにジムがないとしても、トレーニング意欲があるのであれば、多少遠くてもジムで指導を受けたほうが効果的だと思います。
一方で最近、パワーリフティングのオンライン指導で実績を残しているトレーナーがいるという記事を読んで、さらに大人気とのことで大変驚いています。海外在住のため仕方なくオンライン指導を行なっているそうですが、どのような指導をしているのか非常に気になっています。今後はそうしたトレーナーが増えてくるかもしれませんし、オンラインで成果を出す方法も見出されてくる可能性もあるでしょう。
大長武史(だいちょう・たけし)
1968年1月17日生まれ。1993年にスポーツクラブでトレーナーデビュー。1996年にはボディビルMr.サンプレイ新人の部優勝、東京都ボディビル選手権新人戦70kg級準優勝の成績を残す。2000年から本格的にパーソナルトレーナーとして活動を開始。GOLD’S GYM公認パーソナルトレーナー、NSCA CPT パーソナルトレーナー、日本ボディビル連盟公認一級指導員などの資格を取得。2002年より、しんそう療法(治療術)を学びはじめ、智聖流野口整体、仁武会活法療法、BHS療法(手技療法、エネルギー療法、催眠療法)も習得。パーソナルトレーナーと治療術家の二刀流で活躍中。
取材・文/森本雄大