史上初!? 麻雀に筋トレを持ち込んだ女 必殺の“バルクアップリーチ”で突き進む女流プロ雀士の勝負論




女流プロ雀士として活躍する水谷葵さん。可憐なルックスに似つかわしくないムキムキの腕は、麻雀界でもたびたび注目を浴びています。そんな彼女についた異名が「バルクアップリーチ」。今回はプロの世界で戦う水谷さんの勝負論に迫りました。

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そもそもバルクアップリーチの由来は、腕の筋肉はもちろんのこと、自分の役を極限まで価値のあるものに育て、相手にぶつける水谷さんの対局スタイルから来ています。

筋トレで培った体力、集中力に加え、持ち味のハートの強さで勝負強い対局を見せる彼女ですが、もちろん悔しい負けも経験しています。忘れられないのはプロデビューから6年目で出た放送対局。あと一歩で優勝というところで、タイトルを逃してしまったのです。

「本当に優勝したい大会だったので、今でも悔しい思いがいっぱいで忘れられません。

麻雀って選択が多岐に分かれるゲームなんですよ。『あの時こっちの選択肢を選んでいたら…』と考えると悔いが残りますね。本当にあと一歩のところだったので」

勝負の世界に身を置く以上、敗戦の悔しさとは隣り合わせ。その中でも敗北を糧にすることで、水谷さんは高みへの階段を登り続けています。

「悔しい思いがあるからこそ、振り返って『こういう選択肢もあったな』とか勉強できるので、強くなれるんだと思います。麻雀って場面に応じて状況を汲み取って、ベストな選択をしないといけないゲームなんですが、いつでも完璧な判断をできるわけではありませんから、反省点は必ずあります」

忘れられない敗戦を回想しつつ、水谷さんは続けます。

「ただ、その中でも気持ちの強さは大事なんです。たとえば大切な局面で、相手に当たりそうな危険な牌を勝負しないといけない時、ひよっちゃったりする部分もあるんですよ。でもそこで、『これは危なくてもちゃんと押さなきゃいけない牌だ』みたいな局面を、気持ちの強さで押し切れるかどうかはすごく大切なところだと思います」

プロ雀士として勝負の世界に身を置き続ける水谷さん

自分の判断に後悔が残らないように、そして少しでも勝利を引き寄せるために、水谷さんは強気の決断を大事にしています。そんな彼女を支えているのは、熱いハートに他なりません。

「負けるのって嫌じゃないですか。あとは妥協したりとか。諦めることが本当に昔から嫌いなんです。だから何かを決めたら、絶対にそれをやり遂げるまで続けることが多かったです。原動力になるのは、やり遂げた先の自分の姿を想像することですかね。麻雀ならタイトルを獲ることだけが目的じゃなくて、優勝することでその先にこういう活躍の道が広がるなとか、明るい未来を想像するとがんばる力が湧いてきます」

そんな彼女の今年の目標は、“女流雀王”のタイトルを手に入れること。所属する日本プロ麻雀協会の女流プロのみが参戦するリーグ戦で、悲願達成に挑みます。そして、その先のビジョンも彼女の頭には描かれています。

「めちゃくちゃでかいこと言うんですけど、世界で麻雀プロとして活躍していきたいんですよ。海外では麻雀って日本ほど普及していないんです。麻雀の魅力をどんどん広めていって、海外でもお仕事できるようになれたらと思っています」

具体的なビジョンはがんばるエネルギーへと変わります。ビッグタイトルの先にある夢を見据えて、水谷さんはこれからも挑戦を続けていきます。

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