佐久間編集長のパーソナルトレーナー百人斬られ(仮)Vol.43~沖津翔太(EAGLE BASE)後編




VITUP!編集長・佐久間が全国のパーソナルトレーナーさんを巡っていく「パーソナルトレーナー百人斬られ(仮)」。今回は「EAGLE BASE」代表・沖津翔太トレーナーの後編。さまざまな資格を持つ沖津さんだからこそのトレーニングを体験させれもらいました。

まずは体の状態を見るために姿勢のチェックから。いい姿勢を取ろうとせず、自然に立つことで自分の現在の姿勢の問題点が見えてきます。この企画でいろいろとトレーナーさんに教わってきたことが生きているのか、そこまで大きな問題はなし。

「ビフォーアフターを見るとしたらいいモデルではないです(笑)。姿勢を見るときは、くるぶし・ヒザ・腰が一直線になっているといいのですが、キレイな姿勢です。左右のバランスも頭の位置もいいです。普段のトレーニングの賜物ですね」

いきなり褒められてテンションアップ。本来のパーソナルトレーニングではウォーミングアップを入念に行ないますが、取材の時間に限りがあるため、今回はさっそくマットピラティスのトレーニングに入っていきます。

最初はフロントプランクから。プランクというと、前腕部を床について体を一直線にするものを想像しますが、マットピラティスのフロントプランクは違います。まずは四つ這いの姿勢をつくります。肩の真下に手をついて、ヒザは股関節の真下で、ヒザとヒザの間は拳1個分。この姿勢から後頭部からお尻までを真っすぐにします。腰が反ったり、肩甲骨が浮いたりしないように姿勢をつくるだけでもかなりきついです。

丁寧に姿勢をつくってから、骨盤を動かさずに一方の足を後ろに引き、さらにもう一方の足も引きます。姿勢を維持しているだけなのにかなりきついです。ここから股関節で片足を浮かせていきます(左右交互に)。「レッグプルバック」という種目になります。見た目は地味ですが、やっているほうはめちゃくちゃしんどいです。

「PHIのピラティスは細かく姿勢をチェックしながら行ないます。1㎝でも動かすときついということもありますが、こういうことをやっていくと姿勢が良くなっていきます」(沖津さん)

続いてはリバースプランクという種目。長座位の姿勢をとり、脚の幅は拳1個分程度。お尻から手のひら1枚分後ろに手をつきます。この姿勢から肩甲骨を寄せながら胸を持ち上げて腰は軽く前傾。アゴが上がらないようにつま先を見ます。骨盤を一度後傾させてから、へそですくい上げるように腰を上げます。ここまででも十分きついのですが、ここから姿勢を変えずに片脚ずつ上げ下ろしをします。もはや完全なり無理ゲーです。

沖津さんは軽々とやっているので簡単そうに見えますが、全身の筋力を必要とするので、これは相当しんどいです。

「肩や腕回りが硬い感じがしますね。器具は使っていないですけど、きついと思いますし、いろいろな部位の筋力や柔軟性の調整、強化になります」(沖津さん)

マットピラティス3種目目はサイドプランクです。横向きになって肩の真下に手をつき、股関節は真っすぐではなく、30度くらい前。上側の脚をクロスさせるように前について、母指球を床につけます。このまま鼻から息を吸って、吐くと同時に手をスイングするように上げて同時にお尻も上げます。

これもかなりきついです。とくに右は肩を故障した影響もあって体を支えるのが困難でした。

「肩の評価にもなるんですけど、左右差が出る方も結構います。これで調整をすると左右のバランスが良くなって、ベンチプレスをやっても肩を痛めにくくなります」

マットピラティスはここまで。続いてはクイックリフトへ。その前に導入としてルーマニアンデッドリフトを行ないます。バーベルを持ったら肩甲骨を寄せた状態で下げて胸を張ります。お尻を引いて股関節から前傾させてバーをヒザまで下ろして戻します。

この動きができるとクイックリフトにつながってきます。次におこなうハングクリーンは、ルーマニアンデッドリフトのバーを下ろした位置がスタートポジションで、4つの動きでバーを上げていきます。

上げるときは、トリプルエクステンションと言って、足首・ヒザ・股関節が一直線になります。そしてバーをキャッチするときは、ヒジが前に出るイメージです。動きを考えるとなかなかうまくいきませんが、「最初は難しいですけど、何日か練習すると感覚がつかめてきます」と中津さん。

続いては別のドリルです。太ももと股関節でバーを挟んで前に押し出すことバーを上げていきます。キャッチする際はヒザが前に出すぎないようにお尻で受けるイメージです。バーが軽いため腕で上げようとしてしまいがちですが、股関節でつくった勢いで上げる動きをマスターしたいところです。繰り返し練習すればスムーズにできそうな手応えも終盤はありました。

バーに重りをつけてもう一度、ハングクリーンを行ないます。考えながらの動作でぎこちなくなってしまうため、これはまだまだ練習が必要です。

最後はフロントスクワットです。バーを握るとヒジが上がらないので、指先で支えてヒジは上げてキープ。若干カカト寄りに重心を乗せて真っすぐしゃがんでいきます。これはクリーンのキャッチの姿勢になります。普通のスクワットよりも真っすぐしゃがむ感覚を養えるのがポイント。

これにてトレーニングは終了。マットピラティスもハングクリーンもしっかりとやったことがなかったので、新鮮な気持ちで楽しくトレーニングすることができました。というわけで、今回はここまで。沖津さん、ありがとうございました。

【トレーナーPROFILE】
沖津翔太(おきつ・しょうた)
2010年に体育大学を卒業後、大手スポーツクラブに入社。パーソナルトレーニング業務やスタジオレッスン、クラブのチーフマネージャー職務を務めるなど、10年間勤務。2020年に独立し、2021年にパーソナルトレーニングジムEAGLE BASEを開業。現在は都内を中心に13店舗を運営する。
〔保有資格〕
NESTA-PFTPHI Pilates Mat Ⅰ・Ⅱ/PHI Pilates Reformer Ⅰ/プレグナンシーボディーワーク指導者(マタニティトレーニング資格)、介護予防運動士/イージーフロッシングLv1/赤十字救急法救急員/ViPRインストラクター/TRX-STCJCCAベーシックインストラクター/第二種衛生管理士/第一種中・高保健体育教員免許

【パーソナル情報】
EAGLE BASEパーソナルトレーニングジム
〈住所〉
武蔵小山店=東京都目黒区目黒本町4-3-14 ミチノサキ5F
※その他の店舗はHPを参照。
〈営業時間〉
月~金:9:00~23:00
土日祝:8:00~22:00
〈料金〉
■入会金:30,000円
■コース料金
トライアルコース:77,000円/スタンダードコース:136,000円/ゴールドコース:186,000円/ダイヤモンドコース:240,000円/プラチナコース:349,090円/月4回プラン(※コースセッション32回終了後に利用可能)29,000円
※そのほか無料体験などはHP参照。

 

佐久間一彦(さくま・かずひこ)
1975年8月27日、神奈川県出身。学生時代はレスリング選手として活躍し、高校日本代表選出、全日本大学選手権準優勝などの実績を残す。青山学院大学卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。2007年~2010年まで「週刊プロレス」の編集長を務める。2010年にライトハウスに入社。スポーツジャーナリストとして数多くのプロスポーツ選手、オリンピアン、パラリンピアンの取材を手がける。