女王・安井友梨がV3 絶望、あがき、また失敗…その先に見えた新たな景色と再び赤ドレスをまとった理由




赤ドレスに身を包んだ安井友梨は、優勝トロフィーを手に、「ここまで育ててくださったJBBF(日本ボディビル・フィットネス連盟)の皆さまへ、今日はその感謝の気持ちを込めてステージに立ちたいと思っていました」と話した。

【フォト&ムービー】赤ドレスでステージを華やかに舞う安井友梨

9月1日に宮城県仙台市で開催された「オールジャパン・フィットモデル・チャンピオンシップス2024」にて、安井は163cm級及びオーバーオール優勝を達成、大会3連覇となった。昨年の同時期は足の指の骨折があり痛みをこらえながらのステージだったため、大会後に話を聞いた際にも影を薄っすらと感じる部分があったが、今回はうってかわって明るさに満ちていたのは印象的だ。

「とにかくステージがすごく楽しくて、ポージングのためにドレスをさばく際にも、一回一回『ありがとうございます!』という感じで(笑)。楽しさが爆発していたと思います」

フィットモデルは、ラウンド1はワンピーススイムスーツ、ラウンド2はロングイブニングドレスと、2つのコスチュームで審査が行なわれるのが特徴である。安井は今回、ピンクのスイムスーツ、赤のドレスで登場。主戦のビキニフィットネスも含め、毎年コスチュームを新調してきた安井が昨年と同じ姿でステージに立ったのには、理由があった。

「昨年、IFBB世界選手権のフィットモデルで世界一にならせていただいたので、そのときと同じコスチュームで今年は挑ませていただきました。『安井さん、また赤なんだね』と周囲に言われましたが、『世界一のフィットモデルを日本の皆さんにお見せしたい』という思いでした」

ビキニフィットネスでもフィットモデルでも、国内では無類の強さの地位を築いている安井。今月末には、主戦のビキニでのオールジャパン選手権、上位入賞すればグランドチャンピオンシップス、そして12月には、IFBB世界選手権が東京で行なわれる。日本のファンの前で世界一の笑顔を見せるべく、歩みを止めることはない。

「去年は骨折による暗闇の中からの世界一でした。そこで得たのは、『失敗の先にしか成功はない』という経験です。どれだけ絶望しても、そこであがいて、また失敗して、失敗して、失敗して…、その先に今まで見えなかった景色が見えることがわかったので、これからはどんな苦難がきても、『これは成長のチャンスだ』と感じられると思います。安井友梨はまた世界一を獲れるぞと、皆さんに後押ししていただけるような、応援していただけるようなステージをお見せできるよう、次の大会に向けて準備を進めていきます」

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