「絶対に超えてやるという強い気持ちで出ました。体も過去最高によかったですし、やることはすべてやったから、これでだめならしょうがないと思っていましたけど、やっぱり悔しい気持ちはあります」
9月29日、岡山県芸術創造劇場で「オールジャパン・フィットネス・チャンピオンシップス2024」(フィットネス競技の身長別日本一決定戦)が開催され、ビキニフィットネス163cm超級で廣中れなが準優勝に輝いた。
【フォト】赤ビキニ×ゴールドアクセ 強い思いで舞台に立った廣中の美ボディ
同階級を制したのは今大会で9連覇を達成した安井友梨であり、廣中は安井を前に2022年から2年連続準Vとなっていた。かつてはあこがれであり、安井と同じステージに立ちたい一心だったが、徐々に「並びたいだけではなく、超えたい」という思いに変化。その中で挑んだ今大会だったからこそ、悔しさも大きかったと率直な胸中を語った。表彰式で見せた大粒の涙が、打倒・安井に懸ける思いの強さを物語っていた。
今年は廣中にとって勝負の1年だった。初の国際大会日本代表として、7月5日~8日開催のIFBBアジア選手権に出場。ビキニフィットネス168cm以下級で準優勝の成績を残した。金メダルをつかめなかった悔しさこそ残ったが、彼女に大きな経験と自信を与えた。
「アジア選手権に出て、一番は自分の心が本当に変わったと思います。2位で悔しい気持ちはありますけど、自信になりました。ビキニフィットネスをやっていなかった時の私は、物事に対して挫折してしまうことが多かったんですけど、競技に取り組むようになってから、『何度でも立ち上がってやる』という強い気持ちが出てきました。アジアで課題も見つかりましたし、どんどん自分を更新できていると思います」
強い思いを胸に、オールジャパンで身につけたのは深紅のビキニとゴールドのアクセサリー。昨年までは紫ビキニ着用で妖艶な雰囲気をまとっていたが、今大会では一変して華やかな装いで登場した。聞けば、「今年は勝負を懸ける思いで赤を選びました。アクセサリーも絶対に金メダルを獲るんだと思って」と願いを込めていたそうだ。
勝利への思いは次戦にぶつける。間もなく10月6日のフィットネス・ジャパン・グランド・チャンピオンシップス(階級無差別のフィットネス競技日本一決定戦)に挑む彼女は、国内開催が決まっている12月16日~19日のIFBB世界選手権の代表権獲得を狙う。
「世界で自分がどのポジションなのかというのを試したいというのもありますし、海外選手と並んでどう見えるか、通用するのか。そのあたりを次のチャレンジでやっていきたいと思います」
競技を通じて培った不屈のハートで挑戦を続行する。女王・安井にこそ及ばなかったが、ビキニ新勢力が着実に成長を遂げていることは間違いない。